ツーバイフォーの家づくりって、どんなもの?
ツーバイフォーって、なに?
住宅を建てるにはいろいろな工法があります。日本で木造住宅を建てる場合、在来工法に次いで多く用いられているのが、ツーバイフォー工法です。通称「ツーバイフォー」や「2 x 4」とも呼ばれることが多いこの工法は、アメリカで発祥し、昭和40年代に日本に伝わり普及するようになりました。
家を建てるとき、どの工法にするかで費用や工期が変わってきます。また、建てた後も工法によってメンテナンスやリフォームの仕方も異なるので、家を所有する上では工法について知っておくことが大切です。今回は、ツーバイフォー工法の特長とその家づくりの流れについてお伝えします。
ツーバイフォー工法の特長は
ツーバイフォー工法の日本語での名称は「枠組壁工法」。その名前が示す通り、断面が2 x 4インチの木材で作った枠に合板などの面材を取りつけたパネルで壁や床を構成していきます。近年は、このパネルの枠に2 x 6インチや4 x 4インチの木材を使用するタイプも登場し、その場合は「ツーバイシックス」や「フォーバイフォー」工法と呼ばれます。
柱やはりでできた骨組に壁をつけていく在来工法とは違い、ツーバイフォー工法では、柱やはりはなく、上述のパネルで箱を組み上げるようにして家を造っていくのが大きな特長です。
在来工法では、柱やはりといった「点と線」で建物を支えるのに対し、ツーバイフォー工法では、天井と床、4面の壁の合計「6つの面」で建物を支えます。このことから、基本的に耐震性のある構造となるので、公的に定められた基準通りの部材を使用し適切に施工していれば、特に耐震補強は必要ありません。さらに、木造ながら、気密性や断熱性の高い構造にもなります。
ツーバイフォーの家造りの手順は
では、実際にツーバイフォー工法で家を建てる場合、どのようなことをするのか知っておきたいところです。ここで、そのおおまかな流れをご紹介します。
1.地盤整備をし、自縄張り(敷地内の建物が建つ部分に縄を張り、設計図通りに配置を決める作業)をします。地鎮祭をしたい場合は、ここで行います。次いで、水盛り・遣(や)り方という建物の正確な位置を出す作業をして、コンクリート基礎の工事をします。
2.コンクリート基礎の上に土台を固定します。
※ここまでは、在来工法の家づくりと同様の手順になります。
3.1階の床となるパネルを作ります。この床面はプラットフォームと呼ばれ、壁枠組(壁体パネル)を作るための作業台になります。
4.1階の壁体パネルを作り、建て起こします。
※2階以上のフロアを作る場合は、3.から4.の手順の繰り返しになります。
5.屋根の骨組みとなる小屋組を作ります。棟上げ式をしたい場合は、ここで行います。
6.屋根工事、外部建具の取りつけ、天井の下地工事をします。配線・配管や断熱工事を行い、内壁の石膏ボードを貼りつけます。
7.内部の造作や内外装を仕上げ、内部建具を取りつけ、照明器具や設備類を設置し、完成です。竣工検査の後、必要であれば手直しを行い、施主へ引き渡しとなります。
以上の手順による工期の目安は3ヵ月程度ですが、これはあくまでも目安です。工期および工事の手順は、施工するハウスメーカーや工務店によって変わる場合があります。
ツーバイフォー工法は現場の施工効率がよく、他の工法に比べて工期が短くて済みます。また、部材や施工の規格も厳しく定められているので、業者による施工精度の差もあまり出ません。それだけにツーバイフォーの家づくりをするときは、この工法に精通した業者に依頼することが大切です。
記事についてお気軽に
お問い合わせください。
閲覧履歴からあなたにおすすめの記事です。
-
沿岸地域で採用される屋根の特長とは?
みなさんは、一軒家の屋根を意識して観察したことはありますか? 屋根の形や材料は、場所ごとの環境によって需要が異なります。つまり、屋根には地域によって特色があるということ。そこで今回は、沿岸地域で採用されている屋根の特長を…
-
グランピングに欠かせない「ドームテント」のルーツ
近年、アウトドアの定番として急速に普及しているグランピング。テントや食材の準備をする手間がなく、快適でちょっぴり豪華なキャンプ体験ができるエンターテインメントです。実際に行ったことがなくても、ネットやテレビのニュースなど…
-
1000年以上長持ちする屋根建材としての「チタン」
原子番号22 Ti(Titanium)、通称「チタン」。 みなさんは、チタンという素材にどのようなイメージをもっていますか? チタンは実用金属の元素のなかで、鉄、アルミニウム、マグネシウムに次いで4番目に多い鉱物資源です…