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暮らしを彩る「カーポート」のお役立ち情報をご紹介

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家づくりにおいて車の保管場所は、単なる駐車スペースにとどまらず、住まいの外観や暮らしの質に大きく関わる重要な要素です。今回は車庫の形のひとつ、「カーポート」に注目。カーポートは単に車を雨や日差しから守るだけでなく、デザインや素材、使い勝手の面でも多彩なバリエーションがあります。本記事では、カーポートの役割や基本的な種類、使用される素材や構造など、これから設置を考える人にとって役立つ情報をお届けします。

 

ガレージとカーポートはどう違う?

 
車を保管する設備には大きく分けて「ガレージ」と「カーポート」があります。ガレージは四方を屋根と壁で囲まれた構造で、盗難やいたずらなどへの防犯性に優れ、風雨や紫外線から車を守ることができます。一方で、建築工事の規模が大きくなるため設置費用が高額になりやすく、建物との調和を考慮する必要があるため、デザインや設置位置の自由度が制限されることもあります。
 
これに対してカーポートは、柱と屋根のみで構成された開放的な構造が特徴です。敷地や建物の配置に合わせて柔軟に設置でき、壁や扉がないため施工期間が比較的短く、必要な資材も少ないため費用を抑えやすいのが利点です。近年ではただ車を保護するという役割に加えて、住宅のデザインや雰囲気に合わせて、見た目の統一感や美しさを高める要素としても注目されています。屋根があることで夏場の車内温度上昇を抑えられ、冬にはフロントガラスへの霜の付着を防ぎ、雨や飛来物による汚れの付着も軽減できます。
 
 

設置環境や車の台数に適したカーポートの種類を選択

 
カーポートには複数の構造タイプがあり、設置する敷地の広さや形、駐車する車の台数などに応じて適切な選択をする必要があります。
 
◎片側支持タイプ
屋根の左右どちらかの片側だけに柱を設けた構造。もう一方の側に柱がないため車のドアを大きく開けやすく、乗り降りしやすいのが特徴です。限られた敷地でも設置しやすく、1台用のカーポートとして広く採用されています。
 
◎両側支持タイプ
屋根の両側に柱を設けた構造で、左右両側から支えるため安定性が高く、強風や積雪への耐性に優れているとされています。2台以上の駐車にも対応可能なタイプです。
 
◎後方支持タイプ
柱を屋根の後方に設置する構造で、前方や側面に柱がないため駐車時の視界が確保しやすく、乗り降りや通行がしやすいタイプ。複数台の駐車に対応できる製品もありますが、強度を確保するために基礎工事が大きくなり、工事費用が高くなることがあります。
 
◎M合掌タイプ
2つの片流れ屋根を中央で連結する構造で、2台分の駐車スペースを確保したい場合に採用されることが多く、製品によっては屋根の角度やサイズを調整できるものもあります。
 
◎Y合掌タイプ
中央の柱から左右外側へY字状に屋根を広げるタイプで、柱が外側にないため圧迫感が少なく、車の出し入れがしやすいのが特徴です。
 
 

素材と形状のバリエーションもさまざま

 
カーポートを構成する素材や屋根の形状は、耐久性だけでなく住まいの外観にも大きく影響します。
 
柱の素材
一般的に広く使われている「アルミ」は、軽量で錆びにくく、メンテナンスの手間が少ないとされています。もうひとつの主要素材である「スチール」は、アルミよりも高い強度を持ち、かつ安価な点が魅力です。ただし、防錆処理が必要になります。
 
屋根材の種類
屋根材にも複数の選択肢があり、主に地域の気候に合わせた選び方が求められます。「ポリカーボネート」は透明性と高い強度を兼ね備え、明るさを確保しつつ車を保護できるため、広く使用されています。夏場の車内温度上昇を抑えたい場合には熱線遮断ポリカーボネートが有効で、カラーバリエーションも豊富です(カラーによって光の透過率が変動します)。また、積雪や強風が想定される地域では頑丈なスチールが用いられる事例もあります。
 
屋根の形状
屋根の形状はデザインの印象を左右します。直線的でシャープな印象を与えるフラット型は、シンプルで現代的な住宅に調和しやすい形です。アール型は幅広い住宅になじみやすく汎用性があるとされています。
 
素材や形状の選び方は、外観デザインだけでなく気候条件やメンテナンス性も含めて総合的に検討することが大切です。
 
 

特殊なカーポートの導入事例も

 
近年は、カーポート上部のデッドスペースを有効活用した珍しいものも登場しています。そのひとつが「ソーラーカーポート」です。カーポートの屋根部分に太陽光パネルを設置することで車を守りながら発電もでき、電力需要の一部をまかなうことが可能に。環境問題への意識が高まる中で注目されています。
 
また、カーポート上部をテラス空間として活用するタイプも登場しています。「車があるため庭のスペースが確保できない」という課題を解決する新しい発想です。洗濯物を干したり子どもの遊び場になったり、アウトドアリビングとして活用できます。単なる駐車スペースにとどまらず、生活空間を拡張する役割も担っています。
 
 

車にも屋根がある暮らし

 
カーポートは車を雨風から守る設備であると同時に、住まいの外観や敷地の使い方に関わる存在です。車の台数やサイズ、敷地、気候、地域性などを考慮しながら、建物との調和を意識して選ぶことが大切です。これから導入を考えているなら、単なる駐車スペースとしてではなく、暮らしを支える住環境の一部として、長期的な視点で検討してみてください。またカーポートを設置する場合、サイズや地域条件によって建築確認申請が必要になります。設置の検討の際はご確認ください。
 
 

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