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外国人も興味津々、神社の屋根デザインあれこれ

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屋根を見れば建てられた時代がわかる

このところ、伊勢神宮の式年遷宮と出雲大社(写真)の大遷宮が重なり、京都では下鴨神社、上賀茂神社の遷宮が続きました。その話題はテレビやネットなどでも取り上げられ、日本国内はもちろん、外国でも日本の神社に興味を持つ人が増えています。

遷宮とは、神社の本殿を造営または修理して新しくし、以前とは異なる本殿にご神体を移すことをいいます。そして、この遷宮を定期的に行うことが式年遷宮で、通常は祭礼をともないます。
遷宮のニュースでは、神社の建築がクローズアップされ、その独特な様式に注目した方も少なくないでしょう。とりわけ、神社建築で特徴的なのが屋根です。神社の本殿の屋根のデザインを見れば、その建築様式や建立されたおおよその時代がわかるといわれています。

当然ながら、日本には数多くの神社があります。神社によって建築様式が少しずつ違っていても、共通する独特のルールがあり、そうしたルールも屋根に表われています。

最も古い神社の屋根は

神社は日本特有の宗教である神道において、神様や先祖をお祀りするための施設です。そうした神社の建築様式は、仏教伝来の前後で大きく変わり、その変化は屋根を見ればわかります。
神様をお祀りする本殿を持つ神社の最も古い建築様式は住吉造、大社造、神明造の3つで、それぞれの様式を代表する神社は次の通りです。

・住吉造:住吉大社(大阪市)
・大社造:出雲大社(島根県)
・神明造:伊勢神宮(三重県) ※「伊勢神宮」は通称で正式名称は「神宮」

この3つの神社は6世紀初頭の仏教伝来以前からの歴史があり、屋根には共通する特徴があります。
これらの神社の屋根はどれも棟から軒にかけて反りのない直線的な形をした切妻造(きりづまづくり)と呼ばれるもの。
屋根材は住吉大社と出雲大社は桧皮(ひわだ)葺き、伊勢神宮は茅葺きで、瓦を使っていません。さらに、共通して、屋根の上には千木(ちぎ)と堅魚木(かつおぎ)という飾りがついています。千木は屋根の両端に設置された交差した2本の板木、堅魚木は屋根の棟に水平に置かれた丸太状の木です。
この千木と堅魚木は神社らしさを象徴する装飾で、これ以降から現代にかけての神社にもよく見られます。

仏教伝来で屋根のデザインが変わる

仏教が日本に伝わると、神社の建築は寺院建築の影響を受け、屋根のデザインも変わっていきます。直線的だった形状がお寺の屋根のように軒先にかけ反りのあるデザインになっていきました。

この時代に生まれたのが、京都の上賀茂神社に代表される流造(ながれづくり)と呼ばれる様式です。軒先に向けて反った本殿の屋根のひさしを長く伸ばし、その下に、以前にはなかった向拝(こうはい)という拝礼のための場所が設けられるようになりました。

江戸時代の神社に金属屋根?

これよりさらに時代を下ると、元々は別の建物だった礼拝のための拝殿と本殿を一体化させた権現造(ごんげんづくり)などが登場します。その代表格が日光東照宮(栃木県)で、たくさんの棟がつらなる大きく複雑な屋根を持つ形式から八棟造(やつむねづくり)とも呼ばれています。
日光東照宮の現在の主な社殿群は1636年の創建ですが、当時、屋根には桧皮と銅瓦が使われていました。江戸時代に金属屋根があったとは驚きですね。

全国の神社の屋根を見ていくと、伝統的な建築様式が守られている一方で、時代に合わせた変化がわかります。現代では、神社の屋根には銅等の金属がよく使われています。また軽くて耐震性があり耐久性が高いことから、金属屋根は神社仏閣にも需要があるようです。いまの時代に合った屋根材といえますね。
このように屋根のつくりは様々で素材にも多くの種類があります。住まいを守る「屋根」について思いを巡らせるのも楽しいかもしれませんね。

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「いろいろあります。住まいを守る「屋根」の素材。」
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