ガルバリウム鋼板で実現する あこがれのスパニッシュスタイルの屋根
現代にも通じる洋館のスタイル
ところで、ひと言に洋館といってもその建築様式(スタイル)にはいろんな種類があります。なかでも、素焼きのスパニッシュ瓦の屋根と石や漆喰の外壁をベースにした開放的なデザインで、時代を超えて現代の住宅のスタイルとしても人気があるのがスパニッシュスタイルです。その名称からもわかるように、スペイン発祥の様式ですが、実は、日本へはアメリカからもたらされました。
スパニッシュスタイルはスペイン人の入植者によってアメリカ西海岸に持ち込まれ、アメリカ先住民の様式と融合しながら発展しました。日本へは大正期に導入されています。
代表的なスパニッシュスタイルの神戸の洋館
瀬戸内海を一望する小高い丘の上の広大な敷地に建てられた邸宅は地上2階、地下1階の一部木造を含む鉄筋コンクリート造の建物です。その外観の外壁はクリーム色の土壁、緩い勾配の屋根は素焼きのスペイン瓦葺き、アーチ状の玄関ポーチといったスパニッシュスタイルの特徴を備えています。内装については、玄関ホールのステンドグラスをはじめとする装飾や照明、家具までトータルコーディネートされています。
旧ジェームス邸は2005年の修復復元工事を経て、2012年に神戸市の指定有形文化財に指定されました。現在は結婚式場となっています。
横浜にもあったスパニッシュスタイルの邸宅
その1つが、1930(昭和5)年にイギリス人ベリック氏の邸宅として建設されたベーリックホールです。その設計者は山手聖公会や根岸競馬場などを設計したアメリカ人建築家のモーガン。こちらも素焼き瓦の大屋根と玄関の3連アーチといったスパニッシュスタイルの特徴が見られます。ひし形の小窓やアーチのふちの装飾もおしゃれですね。
現代のスパニッシュスタイルの家づくりに
また、お気づきかと思いますが、このスタイルの象徴ともいえるのが、オレンジや赤の素焼きのスパニッシュ瓦を使った屋根です。スパニッシュ瓦は粘土瓦の1種ですが、屋根材としては重いものです。現代では、この屋根を瓦よりも軽く耐震性にすぐれた金属素材のガルバリウム鋼板でつくることができます。
ガルバリウム鋼板は金属でありながら、サビに強く、耐久性に富んだ屋根材。その製品の1つ、テラコットはスパニッシュ瓦のような色合い、素焼き陶器のようなマットな風合いがあり、洋風住宅に最適です。スパニッシュスタイルを取り入れた家づくりをお考えなら、ぜひご検討ください。
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