屋根の強風・台風対策って屋根材によって違うって、ホント?
台風から家を守るには
近年、台風が大型化し北上することが多くなりました。そのため、これまであまり台風が来ないとされてきた地域にも被害が及ぶようになっています。日本中どこでも、台風の強風による被害を受ける可能性があるということです。
戸建住宅の場合、台風から大切な住まいを守るためのポイントと言えるのが屋根です。万一、風で屋根材が飛ばされると雨漏りという家にとって深刻なダメージを招くので、これを防ぐための対策が非常に大切です。
台風から住まいを守ることは屋根を守ることになりますが、屋根材によってその対策の仕方が違ってきます。住宅の一般的な屋根材には、瓦、人工スレート(以下スレート)、ガルバリウム鋼板を主とした金
属屋根(以下ガルバリウム鋼板)がありますが、それぞれ材質や特徴が異なるからです。今回は、これらの屋根材ごとの強風・台風対策の仕方を紹介します。
屋根材ごとに違う台風対策
<瓦>
瓦は粘土を成形し焼き固めた屋根材で、和風住宅によく使われています。高い耐久性がありますが、屋根材としては最も重量があるので強風で飛ばされると非常に危険です。風で瓦が飛ばされるのを防ぐには、しっかりと固定されていることが欠かせません。そこで、大切になるのが、瓦のズレがないか定期的にチェックすることです。とは言え、屋根に上がって点検するのは危険ですから、自分で行う場合は地上や窓からの目視にとどめ、屋根全体の点検は専門の業者に依頼しましょう。
築年数が経った古い住宅の瓦屋根で、土葺きと呼ばれる手法で葺かれている場合は、現行の葺き方よりも瓦がズレやすいので、葺き替えを検討した方がよいかもしれません。その場合、従来の瓦よりも軽く割れにくい防災瓦をズレたり脱落しないように固定するガイドライン工法という施工法で葺き替えれば、安全性を高められます。ただし、これは全面葺き替えになるので、工事費も高額になります。このように費用面での検討も必要になりますが、コストを抑えつつ、より軽く耐震性や耐風性も高めるには、スレートやガルバリウム鋼板への葺き替えという選択肢もあります。
<スレート>
スレートはセメントが主原料の軽く薄い板状の屋根材です。スレート屋根の台風対策は、瓦と同様、ズレを見逃さないことが大切です。特に、劣化が進んだ状態で強風にあおられると、屋根の頂点に固定された棟板金まで飛ばされる恐れがあり、そうなると屋根全体へのダメージにつながります。
したがって、劣化を抑えることが大きなポイントになりますが、そのためには定期的なメンテナンスが欠かせません。およそ10年を目安に、塗装の塗り替えと必要に応じてスレートと棟板金の補修を行うようにしましょう。劣化が進み塗装で性能が回復できない場合は、葺き替えを検討する必要があります。
<ガルバリウム鋼板>
金属であることから非常に軽量で耐震性も高く、サビへの耐性を持たせた屋根材です。ガルバリウム鋼板の屋根の台風対策は、下地にしっかりと固定することが基本になります。ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、耐用年数は40年程度と言われ、20年にわたってメンテナンスフリーの製品もあります。しかし、屋根の下地はそれより先に傷んでくるので、10年に1度くらいの割合で専門業者に依頼して、点検と必要に応じた補修をした方がよいでしょう。
こうしてみると、いずれの屋根材の台風対策も、日ごろの点検やメンテナンスがカギになることが分かりますね。屋根材が飛ばされると雨漏りにつながり、一挙に建物が劣化します。大切な住まいを守るためには、屋根のメンテナンスを欠かさないことが大切です。
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