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油断は禁物! ゲリラ豪雨で雨漏りしてしまう前にやっておくべきメンテナンス

メンテナンス

近年、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる局地的な集中豪雨が多くなりました。ゲリラ豪雨は、予期しないときに突然、せまい範囲に集中的に降る激しい雨のことで、住宅などに大きな被害をもたらすこともあります。

ゲリラ豪雨だけでなく、日本は梅雨や台風など水害の多い国のため、自宅の水害対策について気になっている方も多いのではないでしょうか。
特に、戸建住宅の場合、マンションとは違って、わが家を守るのはお住まいの方ご自身です。ゲリラ豪雨などの水害から大切な家を守るためのポイントを知っておきましょう。

ゲリラ豪雨で雨漏りをしてしまう原因

普段の雨では雨漏りしないのに、ゲリラ豪雨のような激しい雨が降ると雨漏りをしてしまう可能性があります。

こうしたケースの主な原因として考えられるのはシーリング(コーキング)の劣化です。シーリングとは、外壁と外壁の継ぎ目や、サッシの周囲などに埋め込まれているゴム状の素材のことで、この部分が劣化して亀裂や剥離が生じると、強く降りつける雨が建物の内部へ入りこみ、雨漏りの原因となります。
雨漏り=屋根に原因があると考えがちな上、ぱっと見ただけでは亀裂が見えにくい部分でもあるため、シーリングの劣化に気付けないことも多いようです。
そのほか、屋根や外壁の劣化、ドレン(排水溝)の詰まりなども原因となり得ます。放置すれば悪化し、いずれは少しの雨でも雨漏りをするようになる可能性もあるため、早めに対策を講じましょう。

雨漏りを放置してしまうと起こる 可能性がある二次災害

雨漏りの被害は「水滴が落ちてきて困る」だけではありません。そのまま放置してしまうと思わぬトラブルが発生し、家屋や私たちの健康にまで被害が及ぶ可能性があるのです。雨漏りによって起こり得る二次災害・三次災害には、どのようなものがあるのでしょうか?

・天井や壁にシミができる

建物の内部に侵入した雨水は、天井や壁に染み込んでシミを作ります。こうしたシミは乾いた後も消えることはありません。クロスの色が薄ければ余計に目立ってしまうでしょう。

・木材部分の腐食

雨漏りによって水分が染み込んだ木材には「腐朽菌」が発生する可能性があります。屋根や柱、土台などに「腐朽菌」が繁殖するとどんどん腐食が進み、耐久性が著しく低下してしまい、最悪の場合、床が傾いたり、天井が落ちてきたりする可能性もあります。

・シロアリの発生

雨水を吸収して柔らかくなった木材は白アリたちの大好物。ひとたびターゲットにされるとあっという間に仲間が集まり、丈夫な土台も太い柱もスカスカに。床がフワフワしているように感じたら、すでにそこは彼らのエサ場になっているかもしれません。

・漏電による火災の原因に

雨漏りによって電気のブレーカーやコードが濡れてしまうと漏電が起こってしまう可能性があります。漏電が起こると、電化製品が壊れてしまうだけではなく、電気が流れ込んだ電化製品に触れると感電する可能性が高まりますさらに電化製品がショートを起こすと、その火花が家屋に移り、火災が発生する危険もあるのです。

・人体への影響も

雨漏りによる多湿環境は、ダニやカビの繁殖に最適。ダニは人間の皮膚を刺して痒みや炎症を引き起こすほか、感染症を媒介する危険もあります。カビは建物にダメージを与えるだけでなく、喘息の発作やシックハウス症候群の原因にもなります。

ゲリラ豪雨から家を守るためにやっておくべきメンテナンス

浸水とまではならなくても、ちょっとした雨水の侵入があれば、構造部分の腐食など深刻な被害につながることがあります。

浸水をはじめ、雨漏りや雨の吹き込みなどを防ぐには、こまめな点検やメンテナンスが基本になります。次のポイントを参考に、日ごろから住まいとその周囲の点検・メンテナンスを行い、必要に応じて修理をしましょう。

・屋根

定期的に瓦やスレートの割れ、ひび、ずれ、めくれ、はがれなどがないか点検依頼を。また、アンテナ類が傾いたり、飛んだりしないようにしっかり固定する。

・雨どい

継ぎ手のずれやはずれ、腐食などがないか、また外壁や屋根に固定されているか確認する。枯れ葉やゴミがたまるのを防ぎ、雨水がスムーズに排水できるよう、防護ネット等を設置する。

・ベランダ

排水口に枯れ葉やゴミがたまらないようこまめに掃除をし、物干し竿や植木鉢など落下や飛散の恐れがあるものは収納する。

・窓、雨戸

窓ガラスのひび割れや窓枠、雨戸にがたつきやゆるみがないか確認。

・外壁

定期的な塗替えのメンテナンスを行い、外壁のひび割れ、すき間、腐食などがないか確認。

・塀

ブロック塀に傾きや亀裂、破損箇所がないか確認。板塀は腐食や浮きがないかを調べ、支柱を立てる。

・地下/半地下施設

地下や半地下に玄関やガレージなどがある場合、土のうや止水板をあらかじめ用意する。

・屋外設備

エアコンの室外機、プロパンガスのボンベなどはしっかりと固定する。

・排水溝、側溝

ベランダ同様、雨水があふれないよう、排水溝や側溝は掃除しておく。また、雨水ますの上には植木鉢などを置かないようにする。

ゲリラ豪雨に備えるためには、日ごろからのメンテナンスに加え、耐用年数が短い外装パーツは早めの交換リフォームをおすすめします。

ゲリラ豪雨から家を守るためにリフォームでさらに強化を

万が一の事態に備えて、リフォームによってさらに水害に強い建物にすることもできます。

・大がかりなリフォームをする場合

間取り変更をともなうような大がかりなリフォームをするなら、万一の浸水に備え、なるべく1Fはガレージやピロティにする。上の階に避難しやすいよう、階段の幅は広めにし、踊り場を設ける。

・屋根、外壁

耐用年数の過ぎた屋根材や外壁材は防水性能に不安があるので、防水性能の高い材料に交換する。

・窓まわり

ひさしや雨戸のない窓は雨が吹き込みやすいので、リフォームで後付けできるひさしや雨戸を設置する。

もしゲリラ豪雨被害にあってしまったら?

ゲリラ豪雨は、時に私たちの住む家に甚大な被害をもたらします。もしも被害にあってしまったらどうしたらいいのでしょうか。

その時は、火災保険があなたを助けてくれるかもしれません。“火災”という名称からつい忘れがちですが、実は火災保険は“水災”にも適用されます。例えばゲリラ豪雨によって、河川が氾濫して壁や床が浸水被害にあった場合や、排水溝が逆流して室内が汚水被害にあった場合。
そのほか、土砂崩れや地滑りが発生して家屋が損壊した場合なども、水災として補償の対象となります。雨漏りに関しては、建物の老朽化によるものと判断され補償の対象外となる場合が多いようですが、暴風雨によって屋根が破損するなど自然災害が直接の原因となる場合は対象となる可能性もゼロではありません。被害にあう前にご自身が加入している保険の内容を確認しておきましょう。

ゲリラ豪雨には油断は禁物

水害への備えをする場合、まずは自宅の水害リスクを知ることが大切です。地元の自治体の洪水ハザードマップや災害履歴を元に、考えられる被害への対策をしましょう。とはいえ、これまでに水害の被害がなかった地域でも油断は禁物です。

突然降り出すゲリラ豪雨は、短時間で予想を超える降水量となることも。土地が低くなくても、雨どいや側溝の排水の状態が良くなければ冠水や浸水する恐れがあります。そんな被害を少しでも減らせるよう、日ごろからのメンテナンスはもちろんのこと、必要であればリフォームなどの対策も計画的に行なっておきましょう。

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