モデル・香菜子さんインタビュー:使ってみて分かる本当に良いものの美しさ
出産を機に変わった、ものに対する考え方
「いまは、あまり無理をしないように心がけているからだと思います。昔は無理をして家族のことを何でもやっていましたが、最近では「疲れたので今日は寝るから、ご飯は適当に食べておいて」と言うこともあります。無理をして心が荒んで子供に当たるようになるくらいなら休んだほうが良いと思えるようになりました。「お母さんだからと言って、何でもやってもらえると思わないように。」とよく家族に言っています(笑)。だから洗濯物も取り込むときには家族4人分それぞれのカゴに分けて、子供には自分で畳ませています。もう大きくなってきたので、どんどんやらせています」
――ライフスタイルについて考えるようになったのはいつからですか。
「ふたり目の子供が生まれてからだと思います。私は大学を卒業して、すぐに結婚して翌年には子供が生まれました。陶芸教室で働いていましたが、子供が生まれたので辞めたんです。子育ての時期は、社会から切り離されたような気がして結構孤独でした(笑)。子育てをしている母親は、大変なことも多く、それだったら、楽しく暮らしたほうが得だよね、と思うようになったんです」
――そしてすぐに行動を起こされたのですか。
「ふたり目の子供が生まれて、気持ちに余裕が生まれたのだと思います。きっかけは子供のスタイ(よだれかけ)を作ったことでした。食事をしているときに付けさせていても、サイズが小さいので結局は汚してしまうことが多いのです。それだったら、自分で大きなサイズのものを作ろうと思ったんです。知り合いのオーナーのレストランに自分が欲しいものを作って持っていったら「ここに置いたら」と言ってくれました。美大出身だったので作るのは好きでした。そのときに「今度料理本を出すからイラスト書いてよ」と頼まれて、そこからイラストの仕事が始まって広がっていきました」
「自分が本当に必要としているものがなければ作ろうと思ったのがきっかけです。昔は環境のことをそれほど考えませんでしたが、子供が生まれてからは、良い素材を使ったり、なるべく農薬を使っていない食べ物にしたり、いろいろと気になるようになって、次第に変化していきました。使うのなら、どちらが良いのかをしっかりと自分で考えて選択した結果、『LOTA PRODUCT』が生まれました。家にいる時間が長いので、なるべく身の回りを良い環境にしようと考えたんですね」
――インテリアについてもいろいろと選択して、使いやすく、美しいものを選んでいるそうですね。
「インテリアはシンプルなものが好きです。白と茶色と黒をベースにして、揃えています。そうすると統一感があって、見ていて気持ちが良いです。昔は家のなかに物がいっぱいあったのですが、東日本大震災やリーマンショックを経験して、物がたくさんあっても仕方がないと思うようになりました。それで、今度は減らす方向で考えています。その代わり、数が少なくても本当に気に入ったものを置くようになりました」
自分で良いと思えるものを考えて選択できる楽しさ
「住宅展示場に行くのが好きで、ヒマさえあれば間取りなどを見ています。自宅を持つときのイメージは、シンプルな箱のようなデザインで、よく見ると素材などにこだわっているという感じの家がいいです。大学で勉強をしていたときに民芸運動の「用の美」という考え方にふれ、一般的な日用品や民芸品のなかに「真の美」があることに感銘を受けました。実際に使って使いやすく、そして見た目も美しいのが、いちばん良いものだと思います。家にも同じような考えが当てはまるかなと思います」
――家のどういった所を見るのでしょうか
「内装だけではなく外装も気にします。屋根だけ見ても、瓦に見えて実は金属素材のものだったり、色もテラコッタ風のものや、少しずつグラデーションのように変えていくこともできるということで、とても幅広い選択肢がありますよね。最近では幼稚園の屋根は、子供が喜ぶ原色にすることもあるそうです」
「でも、自分で良いと思えるものを考えて選択できるのはいいですね。私は引っ越しをするなら海のほうに行きたいという憧れがあります。海の近くだとサビに強い素材のほうが良いでしょうし、その時になったら、またいろいろと調べて考えてみたいです。これから散歩するときは色々な家を見ながらになりそうですね。」
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