リフォームのトラブルを少なくする「動線計画」って、なに?
リフォームトラブルと動線の関係
屋内で人がスムーズに動けるようにするには、「動線計画」が重要になります。動線とは、平面上に人の動きを線であらわしたもの。建物の中で、動線が効率よく流れるようにプランニングすることを動線計画といいます。
間取り変更をともなうリフォームをした後に、「動きにくく家事がしづらい」「デッドスペースが増えた」といったトラブルがある場合は、動線が整理されていないことが考えられます。こんなリフォームトラブルを避けるためには、間取りを決める前に動線計画を立てておくことが必要です。その方法について知っておきましょう。
動線計画の元になるゾーニングとは?
・パブリックゾーン:玄関、リビング、キッチン、ダイニングなど
・サニタリーゾーン:浴室、洗面所、トイレなどの水まわり
・プライベートゾーン:寝室、書斎、子供部屋などの個室
これらの異なるゾーンからゾーンへの移動をあらわす線が動線です。その移動ごとに動線はいくつかの種類に分けられます。
動線の種類を知っておこう
・家事動線:調理や洗濯、掃除など、家事をするための動線
・通勤動線:外出・帰宅に際し、家族それぞれの居室と玄関やリビングをつなぐ動線
・サニタリー動線:トイレや洗面所、浴室へ移動するための動線
・来客動線:来客の移動をあらわす動線
それぞれの動線は短ければ短いほど、また、異なる種類の動線ができるだけ交錯しない方が効率がよいとされます。
スムーズな動線にするために
紙と筆記用具を用意して、大まかでよいので、紙の上に希望するゾーニング分けを描きます。もし、工事業者による提案用の図面があるなら、そのコピーを利用しましょう。
家族みんなで、このゾーニング図や図面をよく見て、頭の中で移動のシミュレーションをしながら、それぞれの動線を描き込んでいきます。動線の種類によって色を変えるとわかりやすいです。
この作業をしてみると、リフォーム後の家族の動線が見えてきます。この図の上で動線が混乱している場合は、ゾーニングや間取り計画を見直す必要があります。スムーズで暮らしやすい動線が見えてくるまで、この作業を何回かくり返し行いましょう。
例えば、共働きの夫婦と学齢期のお子さんといった世帯なら、朝の通勤動線とサニタリー動線が混み合うことが予想されます。その場合、各自の居室をサニタリーゾーンに近づけることも考えられますが、洗面室の出入口を2方向にするなどの工夫でも動線が良くなることもあります。
リフォームトラブルなしに暮らしやすい住空間にするには、動線について家族で考えることが大切です。その上で設計者や工事業者ともよく相談してくださいね。
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