洋瓦とは?和瓦との違いと3つの種類を解説
瓦と聞くと古い木造住宅の屋根に使われている日本瓦をイメージするかもしれませんが、近年では洋瓦を採用した住宅が増えています。洋瓦とはどういったものなのでしょうか。ここでは瓦の一種である洋瓦の特徴や種類、メンテナンス方法などについてご紹介しましょう。
洋瓦とは?
洋瓦とは読んで字のごとく、主に海外の住宅で用いられていた瓦です。正式には洋式瓦と呼ばれており、現在では日本国内でも洋瓦が生産され、さまざまな建物で使われています。洋瓦にはセメント瓦と粘土瓦の二種類があり、それぞれに特徴が異なります。
また、洋瓦は比較的カラフルな色合いの製品が多いので、「個性的な家にしたい」という施主が洋瓦を採用したり、デザイナーズ系のオシャレな建築物に用いられることが多くなっています。屋根リフォームの際に和瓦から洋瓦に葺き替えることで、見た目の印象を変えることも可能です。最近では洋瓦調の金属屋根もあり、セメント瓦や粘土瓦に比べてメンテナンス性に優れているため人気を集めています。
洋瓦と和瓦の違い
洋瓦と和瓦でもっとも大きな違いはやはり見た目の印象です。和瓦はぼこぼこと大きく波打ったような形状で、カラーバリエーションが少なく、全体的に重厚な印象を受けます。対して洋瓦はオレンジやブラウン、紺色など、彩りが豊かでスタイリッシュな形状も多いことから、個性的でおしゃれな印象になります。
洋瓦の種類にはどのようなものがある?
洋瓦には大きく分けて三つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴やどんな人におすすめかご説明していきたいと思います。
・S型瓦
「スパニッシュ」の頭文字に由来するS型瓦は、洋瓦の代表格と言っても過言ではないでしょう。S字型に波打つ見た目が印象的で、屋根材として採用すると立体感のある屋根にすることが可能です。大正時代に日本に伝わった瓦と言われており、現在でもさまざまな洋風建築物に用いられています。施工の難易度が高くはなりますが、その魅力的なビジュアルに惹かれて新築、リフォーム時にチョイスする人は少なくありません。
・平板(へいばん)瓦
現在もっともよく採用されているのが平板瓦と呼ばれるタイプです。F型瓦とも呼ばれていますが、古くから用いられている洋瓦の一つで、フラット形状なことから頭文字を取ってF型と呼ばれます。S型瓦とは異なり凹凸が少ないため、スッキリとした見た目の屋根に仕上げることができます。製品の仕上がりに差が生じることはあるものの、施工そのものは比較的容易なため、短期間で屋根工事を済ませたい人にもおすすめでしょう。
・混ぜ葺き(まぜふき)仕様
混ぜ葺き仕様は、F型瓦やS型瓦に色をつけて製造します。一つのカラーで統一してしまうのではなく、複数の色を使った屋根に仕上げる工法を混ぜ葺きと言いますが、その際に使用される洋瓦のことを指します。飲食店や洋菓子店の店舗などでもよく用いられます。屋根に豊かな表情を持たせることができ、オシャレで個性的な住宅を手に入れたいという人に向いています。ただ、配色の比率を失敗してしまうとシンプルになりすぎることや、逆に派手になりすぎるということもあるため、デザイナー、設計士からは具体的にイメージを共有してもらうようにするのが良いでしょう。
洋瓦のメンテナンス方法
洋瓦も和瓦と同じように、年月が経つにつれて劣化が進んでいきます。洋瓦の場合、和瓦に比べて屋根の漆喰(しっくい)部分がはがれてしまうという不具合がよく見られます。漆喰がはがれてしまうことで内部の土が見えてしまい、台風で強風にさらされたときに棟瓦が外れて飛んでしまうということもあります。特に古い建物だとこういった不具合が起こりやすいので注意が必要です。
漆喰のはがれや瓦のずれなどを防ぐためには、定期的なメンテナンスの実施がおすすめです。屋根の状態を把握し、適切な補修をしておくことが大切でしょう。自分で屋根の状態をチェックする場合、屋根材によっては滑りやすいため充分に注意してください。瓦の表面だけを見ても不具合が起こっているかどうか判断がつかないことも多いため、できれば専門業者に任せる事をおすすめいたします。
洋瓦だと和瓦では実現できないカラフルな屋根や個性的な屋根にすることができるなど、さまざまな表情を出すことができます。新築の際やリフォーム、リノベーションで瓦の張り替え屋根工事を検討している場合は、洋瓦も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
記事についてお気軽に
お問い合わせください。
閲覧履歴からあなたにおすすめの記事です。
-
沿岸地域で採用される屋根の特長とは?
みなさんは、一軒家の屋根を意識して観察したことはありますか? 屋根の形や材料は、場所ごとの環境によって需要が異なります。つまり、屋根には地域によって特色があるということ。そこで今回は、沿岸地域で採用されている屋根の特長を…
-
グランピングに欠かせない「ドームテント」のルーツ
近年、アウトドアの定番として急速に普及しているグランピング。テントや食材の準備をする手間がなく、快適でちょっぴり豪華なキャンプ体験ができるエンターテインメントです。実際に行ったことがなくても、ネットやテレビのニュースなど…
-
1000年以上長持ちする屋根建材としての「チタン」
原子番号22 Ti(Titanium)、通称「チタン」。 みなさんは、チタンという素材にどのようなイメージをもっていますか? チタンは実用金属の元素のなかで、鉄、アルミニウム、マグネシウムに次いで4番目に多い鉱物資源です…