【シリーズ特集】建築のプロが選んだ究極の住宅とは?<第2回 時代が求める「高断熱」と住まいの性能>

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【シリーズ特集】建築のプロが選んだ究極の住宅とは? <第1回 意外な建材を採用した住まいづくりの構想>
全4回のシリーズ特集「建築のプロが選んだ究極の住宅とは?」。前回は、長年、金属サンドイッチパネルを施工してきた“建築のプロ”、 サカイコンストラクション株式会社 代表取締役の杉原美作保さんが、自宅に金属サンドイッチパネルを全面採用した背景に迫り、その人物像や初期構想をご紹介しました。
工場や倉庫で使われる建材を、住まいに全面採用した杉原社長の自宅。一見すると大胆な素材選びですが、断熱性の高さや結露リスクの低さなど、性能面で大いに注目できる点があります。今回は、家族や来客の反応を入り口に、金属サンドイッチパネルが住まいにもたらす価値を、社長の実感とともに紐解きます。
住宅への全面採用という決断に対する周囲の反応

完成するまでの過程と完成後では、周囲からどのような反応があったのでしょうか。
――シルバーの金属サンドイッチパネルに覆われたあまり見かけない住まいです。建設前後で、周囲の方からはどんな反応がありましたか?
工事中、お隣さんに「ここ、マンションを建てているの?」って聞かれたことがあります。「いや、僕の家なんです」と答えたら、「ええ、まさか。こんな大きい柱いるの?」と驚かれましたね。
家が出来上がってからも、来る人来る人、「えーっ、何これ。初めて見たよ」って感じですね。家具を運びに来た人も、「すごい家やな」とびっくりしていました(笑)。
――ご家族の反応はいかがでしたか?
家族にはほとんど相談せずに進めたんですが、妻はボソッと「結構気に入ってる」と言ってくれています。理由を聞いたら、「磁石がくっつく」とか、些細なことらしいんですが(笑)。鉄板の壁なので、マグネットを使ってメモを貼ったり、小物を飾ったりできるんです。
一般的な石膏ボード壁やコンクリート壁ではできないことですね。
住まいに「高断熱化」が求められる時代

――そうした暮らしのちょっとした使い勝手に加えて、ご自宅に金属サンドイッチパネルを採用して、改めて感じた価値はどこにありますか?
本質的な魅力のひとつは断熱性ですね。断熱材を鋼板で挟んでいる建材なので、住宅に使っても本当に理にかなっていると感じます。断熱性は、住まいだけでなく、工場や倉庫などの建材選びにおいて重要な要素です。
――杉原社長が経営される会社でも、断熱や熱中症対策に関する相談は増えていますか?
去年くらいから何軒か、「工場の熱中症対策が義務化されたから対策をしてほしい」という相談をうけています。
発注元の企業でも「あの工法がいい、この資材はどうか」と一緒に検討します。対策方法はたくさんありますが、実際の改修工事では、遮熱シートを屋根の表面に貼ったり、間にはさんだり、現場ごとに最適な方法を提案しています。
省エネの最大のカギは「屋根と外壁」にあり

暑さ対策について、工場に限らず住宅でも外気の影響を大きく受ける「屋根と外壁」が、その中心的な役割を担っています。
夏は強い日差しによる熱が屋根や外壁から入り込み、冬は室内で暖めた熱がそこから外へ逃げていきます。つまり、屋根と壁の断熱性能を一体で高めることが、効率的な省エネ対策となるのです。
金属サンドイッチパネルは、2枚の鋼板の間にウレタンやロックウールなどの断熱材を密着させた構造で外気の熱が室内側まで伝わりにくくなっています。夏は太陽で熱せられた表面からの熱を室内に伝えにくく 、冬は室内で暖めた空気の熱が逃げにくいのが特徴です。屋根と外壁の両方をこの構造で構成することで 建物全体の断熱性能を支えます。
――このパネルの大きな特徴が断熱性能です。実際に住んでみて、どう感じますか?
断熱性能は高いと感じますね。真夏のいちばん暑い時期と真冬以外は、ほとんどエアコンを使っていません。夏でも、外から帰ってきて、家に入った瞬間「あ、涼しい」と感じます。暖房も、本当に寒いときにガスファンヒーターを少し使うくらいです。
パネルが実現する、結露リスクの少ない構造

――結露やそれによるカビは、住む人にとってストレスになりますが、結露はしないですか?
この家では、結露は一切ないですね。
――それはすごいですね。長く住む上で大きなメリットですね。
「結露するでしょ」ってみんな言うんですよ。でも、結露しているのを見たことがないんです。前に住んでいた木造の家ではありましたが、今の家ではゼロ。窓も結露していません。カビも見当たらないですね。
そもそも結露は、室内の湿った空気が冷たい面に触れたときに発生します。金属サンドイッチパネルは、外の冷気が室内側の鋼板まで伝わりにくいため、壁の表面が冷たくなりにくいのです。これにより、結露の発生を抑えられるのです。
時代が高断熱を求め、現場では熱中症対策の依頼が増える。そんな変化のなかで、杉原社長の住まいは、その先を行く一例と言えるかもしれません。第3回では、性能とデザインを両立させた建材選びのこだわりと、実際に数年住んでみてわかったリアルな住み心地、光熱費の変化を深掘りします。
建築物の断熱性能に関する2つのトピックス
近年、建築物には、より高い省エネ性能や暑さへの備えが求められるようになっています。ここでは、関連した2つのトピックスを紹介します。
1. 改正建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律)
2025年4月に施行された同法により、原則すべての新築建築物において省エネ基準への適合が義務づけられました。断熱性能やエネルギー効率が基準を満たさなければなりません。さらに遅くとも2030年までに、より高い断熱性能と省エネ性能を備えた「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準」への引き上げも予定されています。
2. 職場の熱中症対策強化
もうひとつの変化が、2025年6月からの職場の熱中症対策強化です。WBGT(暑さ指数)28度以上、もしくは気温31度以上の環境で連続1時間以上、または1日4時間を超えて作業を行う事業者には、熱中症対策が罰則つきで義務づけられました。作業者の体調確認、熱中症発生時の報告体制の整備、休憩や冷却措置の実施などが求められています。暑さに対する社会的な関心が一気に高まる契機にもなっています。
このような時代背景からも、断熱性を備えた金属サンドイッチパネルの魅力が見えてきます。
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