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【シリーズ特集】建築のプロが選んだ究極の住宅とは? <第1回 意外な建材を採用した住まいづくりの構想>

屋根材

工場や倉庫、物流センターなどの屋根や外壁でよく使われる「金属サンドイッチパネル」。高い断熱性や耐久性を持つ一方、一般住宅に採用される例はまれです。
 
ところが、長年この建材を施工してきた建築のプロが、あえて自宅に全面採用しました。その人は、サカイコンストラクション株式会社 代表取締役の杉原美作保さん。建築板金業を営み、数多くの現場で金属サンドイッチパネルを扱ってきました。
 
なぜ、住宅では珍しいこの建材を、自らの住まいに選んだのでしょうか。本記事では、杉原社長へのインタビューをもとに、採用の理由や住み心地、理想の住まいづくりへの想いをご紹介します。全4回のシリーズの第1回では、建材としての特徴や、杉原社長の人物像、住まいづくりの原点に迫ります。

 

「金属サンドイッチパネル」とは

 
金属サンドイッチパネルとは、2枚の金属板の間に断熱材(ウレタンやロックウールなど)を挟み込んだ複合建材です。芯材が断熱層として機能することで、1枚で「外装」と「断熱」の役割を兼ね備えているのが特徴です。
 
外壁用の「イソバンド」や屋根用の「イソダッハ」(いずれもNISC PANELシリーズ)には「SGL」(https://www.niscs.nipponsteel.com/what-sgl/)と呼ばれる高耐食の鋼板を使用。SGLは、金属建材でもよく知られているガルバリウム鋼板と比べて3倍強も長持ちするとされます。高断熱・軽量・高耐食、これらを1枚で兼ね備えているのがこのパネルの強みです。
 
施工性の高さもポイント。一般的な住宅では、外壁を張り、断熱材を入れ、内側にボードを張って……と工程を積み重ねますが、このパネルなら鉄骨に固定するだけで外壁と断熱の施工が同時に完了。そのため、短期間で建てて早く稼働させたいコンビニエンスストアや、物流倉庫など、工期の短さが重視される事業用の建物で重宝されてきました。
 
一方で、住宅に採用されにくいのは、高性能ゆえにコストが高いため。また、工場や倉庫を思わせる無骨なデザインも、一般住宅では敬遠されがちでした。
 
 

シルバーに輝く異色の住まい

 
敷地は約30坪。そこに建つのは、シルバーの金属サンドイッチパネル(耐火イソバンドPro 50mm 600mm シルバーFS)(https://panel.niscs.nipponsteel.com/line-up/exterior-wall-material/isowand-pro/)を全面に使用した、鉄骨造3階建ての住宅です。屋根にも同様の建材(イソダッハR いぶし銀)を採用。一見すると住宅には見えない、独特な存在感を放っています。
 

長年建材と向き合う「プロ中のプロ」と金属サンドイッチパネルとの出会い

―――はじめに、この家の構造を教えてください。
 

 
1階はガレージと、僕専用のウォークインクローゼット、トレーニングスペース。2階にはキッチンやリビング、浴室、洗濯場を配置していて、3階が家族5人の居住スペースです。吹き抜けの中庭を中心にした間取りになっています。間仕切りにも金属サンドイッチパネル(イソバンドBL25mm 600mm オフホワイトPS)を採用しているんです。屋根付近に隙間を設けて、空間をゆるやかにつなげています。多少、家族の生活音は聞こえますが、エアコンの風が流れるようにしたかったんです。
 
―――杉原社長は建築のプロということですが、改めて、杉原社長の経歴を教えてください。
 
建築板金の業界歴は35年ほどです。父の会社を高校生の頃から手伝っていて、卒業後に入社しました。一時期は他業種も経験しましたが、20代後半で家業に戻り、35歳で独立しました。これまで携わってきたのは、物流倉庫や工場、店舗、大型ショールームなど数えきれないほどです。現在は外国人スタッフへの技能実習にも力を入れ、大阪府板金工業組合の理事も務めています。
 
―――そんな杉原社長と金属サンドイッチパネルとの出会いは?
 
10代の頃、大手自動車メーカーの店舗工事で初めて見たんです。シルバーにそびえ立つ壁を見て、「なんじゃこれ!」って衝撃を受けました。とにかくシンプルでかっこよかった。それで「いつかこれで家を建てたい」とずっと思っていたんです。以前は建売住宅に住んでいたんですが、ようやく念願が叶って、今の家を建てることになりました。
 
杉原社長は、30年以上この建材を施工し続けてきた、いわば「製品と一緒に生きてきた人」。長所も短所も知り尽くしたうえで、自宅に全面採用したという点が、この家の大きな特徴です。
 
 

理想の住まいを形にするための初期構想

 
―――2022年に現在の家を建てられたとのことですが、家づくりでは、どんな理想を思い描いていたのでしょうか?
 
テーマは「できるだけシンプルで、極力窓のない家」でした。本当は窓をなくして、シルバーの壁だけにしたかったくらいです。でも、防火上の規定もあり、採光は吹き抜けの中庭から確保する設計になりました。結果として、防犯性の高い住まいにもなりましたね。
 
―――ご家族とはどのように話し合われたのでしょう?
 
家族にはほとんど相談していません(笑)。ただ、妻は中庭を希望していたので、それは取り入れました。それ以外は、ほぼ僕のやりたいことをやりきりました。
 
 

金属サンドイッチパネルを全面採用した理由とは?

 
―――なぜ、一般的な住宅建材ではなく、金属サンドイッチパネルを選んだのでしょうか?
 
一番好きな建材だからです。若い頃に一目惚れして、「鉄骨丸出しで家ができたら絶対にかっこいい」と思っていたので。本当に、ただそれだけですね。
 
―――外壁用のイソバンドにもいろいろな種類がありますが、現在の製品に決定した理由はありますか?
 
外壁に使っている耐火イソバンドProのカラーバリエーションは8色あって迷いましたが、やっぱり若い頃に一目惚れしたシルバーFSに決めました。外壁には耐火イソバンドPro厚50mm、間仕切りにはイソバンドBL厚25mmを使っています。耐火イソバンドPro厚50mmタイプなら、内側に石膏ボードを張らなくても防火認定をクリアできるんです。内壁を省いてパネルを見せたかったので、耐火イソバンドPro厚50mmを選びました。
 
―――耐火イソバンドPro厚50mmタイプだからこそ潔い見た目になったのですね。パネルの幅についてはどのように考えてチョイスしましたか?
 
パネルの幅は600mmと900mmがラインアップされていますが、住宅地の狭い敷地で取り回しやすい600mm幅を選びました。倉庫などよりも小型な自宅だからこそ、600mmを施工するほうが見た目にものっぺりしにくいのも理由です。
 
「本当に建ててよかった。自分のやりたいことをやりきった感があります」。そう語る杉原社長。知識と経験、そして建材への愛を注ぎ込んだ住まいです。第2回では、この珍しい決断に対する周囲の反応や、いま住宅に高断熱化が求められる時代背景に迫ります。
 
NISC PANEL、イソバンド、イソダッハ、SGL、ガルバリウム鋼板、耐火イソバンドPro、イソダッハRは日鉄鋼板(株)の登録商標です。
 
 

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