家の修繕が重なったら、リフォーム? それとも、建替え?
家は永遠じゃない?
また、エアコンや給湯器などの住宅設備の多くも耐用年数が10年とされていますし、内装の壁紙や床材のフローリングは10年から15年で劣化していきます。外壁は耐用年数が15年から20年程度といわれ、屋根材も材質によっては10年に1回程度のメンテナンスが必要です。つまり、家は建ててから、おおよそ10年ごとに設備の入れ替えや何らかのメンテナンス、修繕が、複数箇所必要になるということです。
長年暮らすと、家はどうなる?
多くの場合、耐用年数が少しばかり過ぎていても、日々の使用や暮らしに影響はないのですが、いつ壊れるかはわかりません。耐用年数に合わせた交換やメンテナンスをしていないと、突発的な故障や不具合が多くなり、快適さや便利さが損なわれます。特に屋根や外壁といった外装はメンテナンスや修繕が遅れれば遅れるほど、直すのに大掛かりな工事が必要になり、費用も割高になります。
また、お気に入りのわが家であっても、長年暮らすうちに住人のライフスタイルは変わっていきます。家族が増えたり減ったりしたので間取りを変えたい、老後のためにバリアフリーにしたいといった要望が出てくるものです。さらに、住宅設備や建材は年々性能が向上しています。大きな不満はなくても、より便利で快適な住まいにするためにトイレやキッチンなどの設備を変えたい、耐震性や断熱性を高めたい、ということもあるでしょう。
リノベーションや建替えを検討するべき状況とは
こうした要望や希望がリフォームのきっかけとなることは多いのですが、これに加え、建物や設備が老朽化し修繕の必要な箇所が重なると、単純な補修や部分的なリフォームでは済まないこともあります。下記のような要望や状況があり、特に複数該当するような場合には、リノベーションや建替えも視野に検討した方がよいかもしれません。
・間取りを大きく変えたい
・耐震性や断熱性を向上させたい
・キッチンやユニットバスなど複数の設備を交換したい
・水まわり設備を移動させたい
・増築または減築したい
・構造躯体(壁、柱、はりなど)や土台に腐食・傷みがある
リフォーム、リノベーション、建替えの見きわめは
ここで、リフォームとリノベーション、建替えの違いを確認しておきましょう。特に厳密な区別はありませんが、通常、家の傷んだ部分の修繕や設備の交換など、原状に近い状態に回復させる補修工事をリフォームといいます。これに対し、全ての設備を一新して間取りも大きく変更するなど、建物の性能や価値を向上させる大掛かりな改修工事をリノベーションといいます。建替えは文字通り、古い建物を壊して基礎から新しい建物を作ることなので、工期は長く費用も大きくなります。
土台や構造に傷みがなければ、建替えなくても、リノベーションできる場合もあり、費用や工期を抑えることができますが、どちらにするかを判断するには、見た目だけではわからないことが多く、専門家による構造や土台、基礎、耐力壁などのチェックが必要になります。また、部分的なリフォームを希望していても、構造や土台に不具合があれば、まずそこを直すべきです。
いずれにしても、新築や購入から年数が経ち、部分的でも家の修繕が増えてきたら、家全体の状態を把握することが大切です。まずは建築士によるホームインスペクション(住宅診断)を受けてみて、検討するのもよいかもしれません。
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