外壁塗装の塗料ってどんなものがある?
外壁の塗装メンテナンスが必要な理由
戸建住宅の外壁材の主な種類には、モルタル、窯業系および金属系サイディング、タイル貼りがあります。このうちモルタルとサイディングは表面を塗料で塗装することで塗膜をつくり、耐久性や防水性を持たせています。しかし、塗膜は経年により劣化していくので、外壁の耐久性を保つためには、定期的な塗装の塗替えメンテナンスが必要です。
そこで、気になるのが塗替えメンテナンスの時期ですが、これは使用する塗料によります。つまり、塗料ごとに耐用年数が異なり、耐用年数の長いものほどグレードが高く、費用も高額になります。
今回は、ご自宅の外壁の塗替えメンテナンスの際の参考になるよう、住宅の外壁用の塗料の種類と特徴についてお伝えします。
外壁用塗料の種類は
<アクリル塗料>
耐用年数:5〜8年/価格:安価
アクリル樹脂が塗膜となりコーティングする塗料で、外壁に加え室内壁にも使用することもある。最も安価で重ね塗りができるが、耐用年数は最も短い。
<ウレタン塗料>
耐用年数:8〜11年/価格:手ごろ
ウレタン樹脂が塗膜となりコーティングする塗料で、外壁に加え木部や鉄部などにも幅広く使用される。リーズナブルでカラーバリエーションも豊富だが、耐久性や防水性がやや低いので長期的な使用には不向き。数年前までは、外壁用に広く用いられていた。
<シリコン塗料>
耐用年数:12〜15年/価格:やや高価
正式な名称はアクリルシリコン。アクリルをベースにシリコンを加えた塗料で、特殊な結合による樹脂でコーティングする。耐水性と耐候性があり、汚れにくく、耐久性が高い。カラーバリエーションも豊富で、屋根にもよく使われる。価格と性能のバランスが良く、近年、広く使われている。
<フッ素塗料>
耐用年数:15〜20年/価格:高価
フッ素カルシウムを主原料とし、フッ素樹脂によりコーティングする塗料。汚れをよせつけない機能があり、酸性雨にも強い。また、耐候性にすぐれ、耐久性は最高レベルなので、長年にわたり美観を維持できる。
塗料選びは費用と耐用年数のバランスを考えて
以上の耐用年数は塗装後からのものですが、あくまでもおおよその目安です。同じ種類の塗料でも、メーカーや商品によって耐用年数や性能が異なり、外壁材との相性もあります。加えて、耐用年数は気候や立地条件にも影響されます。実際に塗替えメンテナンスをするとなると、塗料の価格が気になりますが、通常の外壁の塗装工事では足場が必要になり、その費用もかかります。足場の設置費用は塗料のグレードに左右されないので、この金額も含めて耐用年数とのコストパフォーマンスを検討したいものです。ご自宅の状況に合わせて、塗装業者やリフォーム業者とよく相談されることをおすすめします。
外壁の塗装の劣化が進むと、建物内部への雨水侵入など深刻な被害につながる可能性があります。そうした被害を防ぐ外壁の塗替えは、家を長持ちさせるための基本的なメンテナンスといえます。塗料の耐用年数を参考に、適切に外壁のメンテナンスをしていきましょう。
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