リノベーションとは違う? スケルトンリフォームとは
みなさんは「スケルトンリフォーム」という言葉はご存知ですか?自由な間取りを選べて快適な住まいを作れる方法ですが、スケルトンリフォームにはリスクや注意点もあります。リノベーションとも似ていますが混同せずに正しい意味や効果、コストなどを理解しておくことが必要です。
スケルトンリフォームとは?
スケルトンリフォームとは、一度骨組みの状態に戻してからリフォームを行う、自由度の高いリフォームのことを指します(フルリフォームとも言われます)。リフォームの方法には、設備の入れ替えなど部分的に行うものもありますが、スケルトンリフォームでは既存の間取りにとらわれず、骨組み以外は全く新しい部屋や空間を作ることができます。メリットは新築するより費用を安く抑えつつも、内装を自分好みにできることが挙げられます。中古マンションなどでも内装や設備を一新させ、間取りを自分たちのライフスタイルに合わせやすくなります。
また、スケルトンリフォームの同義語で「リノベーション」という言葉があります。リノベーションは「住まいを作りかえて、物件の価値を向上させる」という意味を持った言葉です。リノベーションでも大幅な間取りや内装、設備の変更が行われますが、スケルトン状態にしなくてもできるケースも含まれます。
スケルトンリフォームを検討するべきシーンとは?
スケルトンリフォームは、部分的なリフォームと違い、全体が新築同様に仕上がりますが、大きな予算がかかるため、本当に必要であるか慎重に判断することが必要です。以下のような状況ではスケルトンリフォームの検討をするとよいでしょう。
・家族の構成に大きな変化があり、大々的なリフォームが必要な場合
家族構成や家族のライフスタイルに変化があった場合には、大幅な住まい構成の変更が必要になる場合があります。とはいえ新築したり引っ越ししたりすると住む場所も変わるため、通勤や通学の問題なども出てきます。このような場合にはスケルトンリフォームが最適です。
また、中古物件を購入して、自分たちの家族構成やライフスタイルに合わせてスケルトンリフォームを行うということもできます。物件の入手コストが安く、立地の良い中古物件は、間取りが合わない場合にはスケルトンリフォームを行って住みやすくすることで活用しやすくなります。
・築年数が古く、配管からの交換が必要な場合
築年数の古い住宅は、配管から交換が必要となる場合が大半です。部分的にリフォームを依頼しても、いざ工事をしてみたら配管工事も必要になったというケースもあります。築年数が15~20年を過ぎている住宅の場合には、配管の交換のタイミングに合わせてスケルトンリフォームを検討したほうがトータルでコストダウンできる可能性があります。
・設備入れ替えや部分リフォームを何度も繰り返してしまう場合
こまごまとした部分的なリフォームは、そのたびにお金がかかるうえ、2度手間、3度手間になることで工費がかさみやすくなります。スケルトンリフォームであれば費用もまとまった金額となり、部分リフォームを繰り返すよりもトータルでコストダウンできることがあります。
スケルトンリフォームの費用と工期とは?
スケルトンリフォームの費用の目安は10~15万円/㎡と考えておきましょう。水回りなどの設備には広さに関係なくコストがかかるため、狭い住居の場合には1㎡あたりの単価は割高になります。また、設備のグレードや材質にこだわるとコストはアップします。配管の移動のない、部屋の間取りの変更だけのリフォームならコストダウンできる可能性は高くなるでしょう。ただし住宅は見えない基礎部分も大切なので、コストを削る部分の検討には注意が必要です。
工期は100㎡以内なら着工後1カ月半程度の完工が一般的です。ただしその前には打ち合わせや契約などにかかる時間もあります。想定以上に打ち合わせが長引くこともあります。また、工事期間も特注工事が多くなると、その分長くかかります。入居するタイミングに希望がある場合には、余裕をもった予定管理が必要です。
スケルトンリフォームの注意点とは?
スケルトンリフォームは、自由度が高いものの、構造や管理規約、権利上での制約によって全て自由にできないこともあります。マンションの場合には、窓のサッシや玄関のドアはリフォームできず、配管の位置も変えられないなどの制約があります。構造上では可能でも、管理規約で制限されている場合もありますので、事前に確認が必要です。
また、将来物件を売る際には、個性的すぎる間取りは買い手がつきづらい可能性が高くなります。次の買い手もリフォームを考えている場合には現在の物件状況は関係なく、リフォームによってまわりの物件よりも価値が高くなることもありません。
スケルトンリフォームは使い方によっては今ある住まいを新築同様の状態にして、より快適な環境を作ることができます。ただし、スケルトンリフォームはメリットばかりではないため、注意点についても確認が必要です。自分も含めた家族の状況がスケルトンリフォームに適していることが分かったら、事前にしっかりと計画したうえで、あなた好みの住居を作りましょう。
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