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屋根と暮らしのスタイルマガジンRoofstyle

降雪時にやっておきたい住まいの点検

メンテナンス

冬の日本では山陰から北海道までの日本海側で集中的に雪が降ることがあり、屋根にも多くの雪が積もります。その際の雪の重さは1cmごとに1㎡あたり約2kg以上(※)と言われています(雪の圧縮などで約3〜6kgになる場合もあります)。仮に屋根の大きさが100㎡だとすると、50cm積もった場合、屋根全体で約10t以上の相当な負荷が屋根にかかることになります。雪の重みで屋根材や外壁が破損、場合によっては建物が倒壊するなどの被害も起きています。被害を最小限に抑えるためにも、そのための点検をしやすくするためにも、雪下ろしをすることが大切です。
屋根材・雨どい・外壁などは、定期的に点検をしていないと小さい破損には気づけないこともあります。最初は小さい破損でも長時間経過すると、降雪によって雨漏りや外壁に亀裂が生じ、大掛かりな修理が必要となることも。そこで、今回は大雪が降った後の住まいの点検について解説していきます。
※出典…国土交通省「建築基準法における積雪に関する基準について」

雪下ろしは慎重に

2021年はさまざまな地域で記録的な大雪となり、ニュースでも話題になりました。短期的な大雪は、建築当初の設定で想定されていない負荷が屋根や家にかかる可能性が十分考えられます。
先述した通り、積雪は1cm増えるごとに屋根に多大な負荷がかかります。荷重を下げることが倒壊などの事故を未然に防ぐことに繋がります。そこで有効となるのが「雪下ろし」です。ただし、毎年のように雪下ろし中の事故が報道されるほどとても危険な作業となるので、ご自身で行う場は安全にかつ怪我に注意してください。必ず2人以上で行い、ヘルメットや命綱、緊急用の携帯電話を用意し、屋根の下に人がいないかのチェックなど、十分な準備をしましょう。また、ひとり暮らしや高齢の方、安全に雪下ろしを行いたい方は、雪下ろし業者に依頼するのもおすすめです。

屋根・雨どい・外壁の点検推奨

降雪時は屋根だけでなく、雨どいや外壁も破損する可能性があります。最初はたいしたことのない破損でも、長期間放っておくと徐々に破損範囲が広がっていく可能性があります。気づいたら外壁だけでなく、内部まで破損が広がり手のつけられない状況になっていることも…。そうならないために、定期的にチェックすることを推奨します。普段あまり雪の降らない地域は降雪後に、点検しましょう。一方、豪雪地帯は雪のシーズン前に点検するのがおすすめです。
降雪時に点検する場合は非常に危険です。屋根や雨どいの点検は、建物から少し離れたところから眺めたり、1階の屋根なら上階の窓から見下ろしたりして行うのがおすすめです。屋根などを自身の目で確認したいという場合は、屋根にはしごをかけて目視で確認する程度でとどめておきましょう。その際、はしごを屋根にかけるときは必ず誰かに抑えてもらうこと。また、ハシゴで雨どいに負担をかけたり、電線にひっかけたりしないように気をつけましょう。

屋根・雨どい・外壁の点検ポイント


|屋根材の割れ・釘などの外れ
積雪による被害で多いのは屋根材の破損です。雪の重さに耐えられず、割れたり変形したりします。屋根材が変形すると、屋根材を固定する釘やビスが外れたり浮いたりしてしまうケースも。屋根全体を見回し、雪が降る前と降った後で何か変わったことがないか注意深く点検しましょう。点検のタイミングは降雪シーズン前に行いましょう。

|雨どいの破損
雨どいも雪が原因で破損しやすい箇所の1つです。屋根から滑り落ちてきた雪の重みで曲がったり割れたりしていませんか? たとえ雨どいの本体に問題がなさそうでも、吊り金具が壊れていることが原因で破損することもあります。雨どいはもちろん固定している金具にも損傷はないかなど、細かいところまで点検しましょう。雨どいには気づかないうちに、落ち葉や鳥が運んできたゴミがぎっしり詰まっていることがあります。これも破損の原因になるので、雪が降る前に取り除いておきましょう。また、屋根から雨どいに一気に雪が流れないように、雪止めを取り付けておけばさらに安心です。すでに取り付けてある場合は、破損していないかどうか確認しておきましょう。

|外壁の破損
外壁は凍害によるダメージが目立ちます。凍害が起きやすいのは、窯業系サイディングやモルタルなどの外壁です。破損や経年劣化などにより防水機能が低下した状態で雪が積もると、壁材に水分が滲入(しんにゅう)して劣化が一気に進みます。凍害を防ぐために外壁に付着した雪をできる限り取り除くようにしてください。近年、積雪地では凍害対策も兼ねて防水性が高いガルバリウム鋼板の壁材を採用するケースが増えています。

点検業者選びは気をつけて


このような点検を専門業者に依頼するのも、とても有効です。点検しておくべき箇所や破損箇所などは写真を撮ってもらい、その後の点検に役立つようにするのがおすすめです。全てお任せするのではなく納得感のある点検にし、今後の点検に役立てるものにしましょう。
ただ近年、高齢者を中心に点検詐欺商法に巻き込まれるトラブルも頻発しており、国民生活センターからも注意が呼びかけられています。突然訪問してきて「無料点検」という言葉で家に上がり込み、「放っておくと大変なことになる!」などと不安をあおられた結果、「補修契約を急がされた」「必要のない修理の契約をさせられた」「故意に火災保険が適用されない修理をされた」などの被害が出ています。
専門業者に点検を依頼する場合も、業者の話を鵜呑みにせず、その場ですぐには契約せずに、契約内容をよく確認し、不安に感じることが少しでもあるなら、早めに国民生活センターなどに相談するようにしましょう。

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