【シリーズ特集】編集部N、家を買う!⑨(3年後編その2)
前回までの記事「【シリーズ特集】編集部N、家を買う!⑧(3年後編)」
狭くてもワークスペースは確保した方が良い
– 「これはやっておいて良かった!」というポイントはありますか?
やっぱり、書斎・ワークスペースを作っておいたことですね。もともと、通勤時間が長くなるので、出社の回数を減らして家でも作業ができるようにしようと思って設計に入れたんです。コロナ禍になって、出社が週に1?2回程度になったので、本当にあって良かったと思います。家で作業ができず、カフェやフリースペースで作業している知人もいますが、フリースペースの費用やコーヒー代を自腹で…という人も少なくないです。マンションを購入していたら、ワークスペースは作れなかったので、戸建てにして良かったです。
– ワークスペースはどんな部屋なんですか?
1階の階段下を活用した3畳くらいのスペースですが、パソコンで作業するには十分です。窓もあって、クーラーもついているので真夏も真冬も過ごしやすいですし、大工さんに作ってもらった棚は気に入っています。在宅ワークで一番困るのが電話やリモート会議ですが、うちの場合は個室になっているため、ある程度遮音ができるので、子どもが休みで家にいても問題ないです。仕事の効率は変わらないですし、通勤時間がなくなって、家族との時間が増えたのは嬉しいです。ちなみになんですが、家で仕事をする可能性があるなら、絶対に個室がいいと思います。小さい子どもがいる家庭だと、リモート会議の際に声が入ってしまったり、乱入してくることがあります。なのでリモート会議のときだけ、会社に出社したり、フリースペースで作業している知り合いも結構います。せっかく家で仕事できるのに、リモート会議ができないから…というのは、個人的に非効率だと思うので、これから家を建てる方はじっくり考えて、設計してほしいと思います。
– ワークスペースで気をつけたほうが良いことはありますか?
ワークスペースだけの話ではないんですが、ネット環境は慎重に検討した方が良いかもしれません。リモート会議が増えていて、ネット環境が悪いと相手にも迷惑がかかるので、家でリモート会議ができなくなります。せっかくリモートワークができるのに、リモート会議ができないというのは仕事の効率も悪くなると思います。他にもときどき2階で作業することがあるんですが、Wi-Fiが弱いときがあるんです。2階もLANケーブルで繋げられる環境があるので問題ないのですが、ルーターの場所や家の構造などによってWi-Fiが届きにくい部屋ができてしまうということがわかりました。ワークスペースだけでなく、子どもが大きくなったことを考慮すると、ネット環境が十分に整うかは必ず確認しておいた方が良いと思います。
フィットするワークスペースは「個室タイプ」?「オープンタイプ」?
ワークスペースを検討する上でポイントとなるのが、スペースのタイプです。個室タイプはその名の通り、一つの部屋で集中できる一方、家族とのコミュニケーションが取りにくく、篭りがちになる人も多いといわれます。オープンタイプはリビングなどの一角をワークスペースとして活用するタイプです。家族とコミュニケーションを取りながら作業をすることができ、子どもの宿題をするスペースとしても活用しやすいタイプです。オープンタイプにパーテーションや棚で壁を作ったり、廊下のすみやキッチンの奥などを活用したりした “セミオープンタイプ”がフィットするという方もいるかもしれません。
一長一短はある……でも、家を建てて良かった!
– 実際3年間暮らしてみて、いかがですか?
以前に住んでいた都内の賃貸マンションよりずっと広いですし、予算の制限があったとはいえ自分の持ち家に住めているので幸せです。約130,000円払っていた家賃も、月に約70,000円のローンになりました。電気代は月8,000円から20,000?30,000円に増え、下水道を維持管理するための汚水処理費用(4,000円/月)や固定資産税(110,000円/年)がかかるとはいえ支出は減ったと思います。当初の家賃を毎月払うよりは安くという、目標は達成できていると思います。細かい計算はしていませんが、年間約300,000?400,000円くらい減らせているのではないかと思っています。ただ、ローンのプレッシャーは結構あります。「ローン35年(変動金利)」は契約してみて初めてわかる重圧だなと……。私にとって家は一生に一度の大きな買い物です。皆さんも家を買うときは十分な検討をしてからの購入をおすすめします。
– きっかけ編で気にしていた通勤は実際どうですか?
40分の通勤が2時間になったのでそれはめちゃくちゃ大変です。コロナ禍になって、出社日が週に1?2日となり、往復4時間の通勤時間がなくなったのはものすごく大きいです。勤め先は理解ある会社ですが、コロナ禍が落ち着いても、毎日出社しない働き方になってくれればと思っています。
– 買ってよかったと思いますか?
でもトータル的に考えると、戸建ての住宅を買った選択は間違っていなかったと思っています。自分たちで選んだ家に住めているということはもちろん、子どもたちにとってより生き生きと暮らせる環境になったと思います。賃貸マンションのときは子どもの泣き声や、はしゃいでドンドン跳ねる音とか、生活音が近隣の部屋の人の迷惑にならないかといつも気にしていたんです。マンションだと、自分たちだけじゃなくて、隣の人の音も気になりますし…その辺はぶっちゃけ運かなと思っています。3,000万の家買って、隣の人の音がうるさいというのは、キツイですよね。会社の同僚でマンションを購入した人がいるんですが、上の住人がうるさくて、隣の住人がクレーマーみたいな人らしくて、かなり悩んでいました。戸建てだとその心配をしなくていいだけでもかなり気が楽になります。それから、庭があるありがたみも感じます。コロナ禍ということもあり、家に居ることが多いのですが、夏の暑い日は庭に大きめのビニールプールを広げて遊ばせています。めちゃくちゃ楽しそうにしているのを見ていると、それだけで嬉しくなりますね。
住宅とは少し話がずれますが、近所に大きな公園がありますし、車ですぐに海に出ることもできるようになりました。自然に触れられる環境で子どもを育てられる点でも満足です。経済的な面だけでなく、住まいの環境、子どもたちの成長の場としても良い選択ができたと思います。もし家を買おうと検討している方は、トータル的に考えて後悔をしないようにじっくりと考えて購入しましょう。
9回にわたるシリーズ特集「編集部N、家を買う!」いかがでしたでしょうか。「ローンを断られたり」「間取りや設備選びに苦労したり」「ローンの重圧を感じながらも注文住宅で暮らす喜びを噛み締めたり」と、実際に体験したからこそお伝えできる、リアルな記事となったのではないでしょうか。住宅購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
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