景観に溶け込むシックな家にするための色使い
美しい街並を作り出すものとは
対して、現在主流の日本の瓦は素焼きした上に釉薬(ゆうやく)をかけ、再度高温で焼いて仕上げることで、雨水がしみ込まないようにしています。日本の気候に合った建材を使用してきたことが、伝統的な街並を生んだということです。
では、雨が多く湿度も高い日本で、南欧風の外観の家づくりをするのはむずかしいのでしょうか?確かに、素焼きの南欧瓦をそのまま日本で使用するには何かと問題がありますが、今なら金属屋根という選択肢があります。金属屋根といえば、板状のイメージがありますが、多様な形や色に成型・塗装できることから、南欧瓦風のタイプが製造されています。
南欧風の屋根を日本の景観にマッチさせるには
そうはいっても、従来の日本の住宅はモノトーンを中心としたカラーリングが多いため、落ち着いた色調の街も多いですね。そうした街並にヨーロッパ風の屋根を取り入れるなら、屋根色は少しうすくするか、くすませると落ち着いて見えます。
このように、家を建てたり、外装リフォームをする際は、周囲の景観に配慮したいものです。景観を構成するのは、その土地の自然と建物などの人工物です。家を建てたり、外装リフォームをする際は、自宅の周囲にどのような色が多いか、またどのような建物や住宅が多いのかよく観察しましょう。例えば、落ち着いた雰囲気の住宅が並ぶ一角に、明るくあざやかな色合いの家を建てると周囲から浮いて見えるだけでなく、景観を損ねてしまう可能性があります。
とはいえ、同じ色でも濃度や鮮やかさを変えることで、他の色との相性が違ってきます。周囲にはない屋根色でも、周囲の色と濃度やあざやかさを合わせれば、主張し過ぎず景観にマッチさせることもできます。
四季のある日本の景観に溶け込む屋根とは
日本の住宅地や都会の木々はほとんどが落葉樹なので、春には桜など花が咲き、初夏から緑、秋には紅葉と季節によって色が変化します。そして、湿度が高いことから、空の青さは少しスモーキー。こうした景観にシックに溶け込む屋根色はグレーや黒などの無彩色かそれに近い色です。そう考えると、和瓦にグレーや黒が多いのは当然かもしれません。
さらに、景観にとっては、質感やデザインも大切です。同じモノトーンの屋根でも、伝統的な街並には和瓦が似合いますし、都会ではシンプルな横葺きや縦葺きでシックでモダンな表情にしたいものです。このいずれのデザインも金属屋根で作り出すことが可能です。
周囲の景観にあわせて家の外観をデザインすることは、洗練されたライフスタイルの演出方法です。フレキシブルな金属屋根で景観にマッチする外観づくりをしてみませんか?
記事についてお気軽に
お問い合わせください。
閲覧履歴からあなたにおすすめの記事です。
-
沿岸地域で採用される屋根の特長とは?
みなさんは、一軒家の屋根を意識して観察したことはありますか? 屋根の形や材料は、場所ごとの環境によって需要が異なります。つまり、屋根には地域によって特色があるということ。そこで今回は、沿岸地域で採用されている屋根の特長を…
-
グランピングに欠かせない「ドームテント」のルーツ
近年、アウトドアの定番として急速に普及しているグランピング。テントや食材の準備をする手間がなく、快適でちょっぴり豪華なキャンプ体験ができるエンターテインメントです。実際に行ったことがなくても、ネットやテレビのニュースなど…
-
1000年以上長持ちする屋根建材としての「チタン」
原子番号22 Ti(Titanium)、通称「チタン」。 みなさんは、チタンという素材にどのようなイメージをもっていますか? チタンは実用金属の元素のなかで、鉄、アルミニウム、マグネシウムに次いで4番目に多い鉱物資源です…