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2×4住宅の耐震性のヒミツとは

耐震

日本では比較的新しい工法、2×4

現代の日本で木造住宅を建てる場合、主に木造軸組構法と枠組壁工法の2通りの工法があります。
木造軸組構法は古来より日本に伝わる建築工法であることから、在来工法とも呼ばれます。これに対し、通称2×4(ツーバイフォー)の枠組壁工法はアメリカが発祥で、約40年前に日本でも導入されるようになりました。
わが国では比較的新しい工法になりますが、「2×4工法の家は地震に強い」という話を耳にすることがあります。地震が多い国の住民としては、気になるところですね。そこで、今回は2×4住宅の耐震性についてお伝えします。

2×4の特徴「モノコック構造」とは

2×4住宅が地震に強いとされる理由はこの工法の大きな特徴である「モノコック構造」にあります。
柱や梁の軸組で建物を構成する在来工法に対し、2×4工法は天井・壁・床の面で建物を構成する面構造です。構造用製材の枠組みに構造用合板を貼りつけたパネルで天井・壁・床を作って一体化させるので、それぞれの居室は6面のパネルで構成された箱のようになります。この6面体の構造がモノコック構造です。
柱と梁の接合部である「点」で建物を支える在来工法の構造とは違い、全体が大きな6面体であるモノコック構造の2×4住宅は「面と線」で建物を支えます。したがって、地震の揺れを箱形の建物全体で受け止めて分散させるので、地震の力が部分的に片寄ることがないため損傷や倒壊の可能性が低いとされています。実際に、これまでの大きな地震でも、2×4住宅の被害は非常に少ないものでした。また、2×4工法では、すべての壁が横からの力に耐える耐力壁です。このことから、台風などの強風にも強い構造となっています。

2×4住宅に耐震リフォームは必要?

このように構造そのものに耐震性を持たせた2×4住宅ですが、建築にあたっては現場の作業が省力化されていて、在来工法よりも短い工期で済みます。
2×4工法では、国や公的規格で定められた品質の建材を使用することになっており、使用する箇所ごとに部材の種類なども決められています。また、施工については、建材やクギなどの使用方法や使用する箇所、施工の手順まで、きめ細かくマニュアル化されています。
こうしたことから、施工者が違っても均質な性能の住宅が建てられるのです。そのため、2×4工法の場合、新築時に規格通りの材料を使い、マニュアル通りに施工されていれば、基本的に耐震リフォームは必要ありません。
ただし、新築後に出入口や窓を増やす、部屋を大きくするなどしたい場合は耐震性に影響することがあります。2×4住宅のリフォームの際は、必ず専門の業者に相談しましょう。

いつまでも安心して2×4住宅で暮らすために

さらに、2×4住宅はその構造から断熱性と気密性にも優れています。枠組材に構造用面材を貼り付けて外壁を作るので、構造体全体で断熱化の工事がしやすく、面構造なので気密性も高くなります。
これにより、冷暖房の効率が良く、年間通して暮らしやすいのですが、その反面、注意したいのが湿気や結露、雨水の侵入です。気密性の高い建物の中では、いったん湿気が溜まったり結露が発生したりすると自然乾燥しにくく、構造の腐食やシロアリの発生を招く恐れがあります。腐食やシロアリ被害は木造住宅を急激に老朽化させ、せっかくの耐震性を損なわせます。

2×4住宅でいつまでも安心して暮らすには、日ごろから換気に気をつけ、雨漏りや雨水の浸入が起きないようにしましょう。雨漏りなどを防ぐには、定期的な屋根や外壁の点検、メンテナンスが欠かせません。

2×4住宅には耐震性をはじめさまざまな優れた性能があります。とはいえ、そうした性能を維持して快適に暮らし続けるためには、日ごろからのメンテナンスが大切です。

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