台風前に対策しよう!強風で屋根が飛ぶ前にしておくべきこと
強風が原因で屋根が飛ぶ、ということがあります。気象庁の「風の強さと吹き方」の定義によると平均風速が15m/s(風に向かって歩くのが困難な状態)を超えると屋根被害の可能性が現れ始めるとされています。また、平成3年の台風19号(通称りんご台風)では住宅被害を受けた約66万棟のうち、約87%が屋根被害でした。自宅の屋根被害だけでなく、飛ばされた屋根材が近隣の建物や車に当たってしまったり、人にケガを負わせてしまう場合もありますので、対策を怠ることはできません。ここでは、台風などの強風で屋根が飛ぶ前にしておくべき対策やどうして屋根が飛んでしまうのかといった理由についてお話します。
台風で屋根が飛んでしまう理由
いったいどうして屋根が飛んでしまうのか、と不思議に思った方もいるかもしれません。もっとも多い原因は、定期的にメンテナンスを行っていなかったために屋根材が劣化していることに気づかなかったというケースです。屋根材は24時間365日外気にさらされ、雨風の影響を常に受けています。日が経つにつれて劣化は進んでいき、ちょっとした衝撃で屋根の下地から外れてしまうようになることもあるのです。
また、コケやカビが発生すると屋根の劣化はより進んでしまいます。コケやカビは暗く湿度の高いところを好みますので、屋根に日が当たっていない部分があれば、より注意が必要です。
台風で屋根が飛んでしまった場合に起こりうるリスク
強風で屋根が飛ばされてしまうと様々なリスクが生じます。まず、住宅を守る屋根が飛ばされてしまうことで、屋根の下地が雨に濡れてしまい、雨漏りが生じる可能性が高くなります。雨水の侵食が進むと、柱や梁など躯体にもダメージを与えてしまい、建物全体の強度が下がってしまいます。
また、風で飛ばされた屋根材が近隣の建物や車、人に直撃することも考えられます。台風の時は風速もかなり強くなりますし、命に関わる大怪我につながる可能性も考えられるでしょう。自宅の屋根被害だけならまだしも、飛ばされた屋根材で他人を怪我させてしまう可能性があることも理解しておく必要があります。
強風で屋根が飛ぶ前にしておくべきこととは
定期的な屋根の点検とメンテナンスを行うことがリスクを引き下げるのにもっとも効果的と言えるでしょう。きちんと屋根の状態をチェックしていれば瓦のひび割れなどにも早期に気が付くことができますし、棟板金の浮きや、瓦、スレートのズレなどにも気がついて補修工事を行うこともできます。
屋根の状態をチェックする場合は、以下のポイントを確認するようにしましょう。
・瓦がズレていないか
・瓦にヒビが入っていないか
・瓦が変色していないか
・瓦にコケなどが生えていないか
・棟板金が浮いていないか
・スレートの色あせが起きていないか
・スレートがズレていないか
・金属屋根にキズやはがれがないか
・金属屋根にサビがないか
もちろん、自分でこうした屋根のチェックをするというのは大変なことですし、屋根に登って点検をする場合は転落の恐れもあります。また、自分でみても棟板金の浮きやスレート、瓦のズレなどに気づかないという可能性もあるので、専門業者に任せた方が安心でしょう。きちんと点検でき、修理した方がよい箇所があれば、屋根の修繕についても相談できます。
それでも屋根が飛んでしまったら・・・
定期的なメンテナンスを行っていても屋根が飛んでしまったら、すぐに専門業者に連絡して対処してもらいましょう。一枚でも屋根材が飛んでしまうとほかの屋根材や屋根の下地にも影響を与えてしまいますし、また、さらに屋根材が飛ばされやすくなってしまう恐れもあります。
なお、台風による屋根被害には火災保険を適用することができる場合があります。火災保険を適用できれば軽い負担で屋根の修理を行うこともできるでしょう。ただし、屋根のメンテナンスを怠ったことによる経年劣化の場合、火災保険が適用されない場合があるので注意が必要です。火災保険では、強風による窓ガラスの割れや、他の建物の瓦が飛んできて自宅が破損した場合、水災による被害なども保証してくれる場合がありますので、現在ご利用の保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
近年の強力な低気圧による強風や豪雨、豪雪などによって、屋根が傷んでいる可能性があるかもしれません。特に前回の屋根のメンテナンスから10年以上経過している場合は注意が必要です。定期的なメンテナンスをしておけば屋根が飛ばされてしまうような事態を回避することが可能ですので、少しでも危険性のある箇所や気になる箇所があれば専門業者に相談してみましょう。
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