屋根に太陽光発電を設置する際の注意点
近年ではスマートハウスやゼロエネルギーハウス(ZEH)が話題となっています。また、2020年の省エネ基準適合住宅の義務化などもあり、ますます太陽光発電に注目が集まっています。ここでは、太陽光発電を設置できる屋根の種類やメリット、デメリットなどについてお伝えしたいと思います。
太陽光発電パネルを設置できる屋根の種類
太陽光発電は、電気を発電することで経済的なメリットを得ることができ、スマートハウスの基準を満たすこともできます。ゼロエネルギーの暮らしを実現するためには太陽光発電の設置は欠かすことはできません。そんな太陽光発電ですが、どのような屋根にでも設置できるわけではありません。特殊な形状をした屋根、デザイン性にこだわった複雑な構造の屋根だと、発電をするための太陽光発電パネルが設置できないこともあります。
では、具体的にどのような屋根だと、太陽光発電パネルの設置が可能なのでしょうか。一般的な切妻(きりづま)屋根だと問題なく設置が可能です。切妻屋根というのは、おそらく屋根と聞いてすぐにイメージが浮かぶような、三角形の形が特徴の屋根です。ほかにも寄棟(よせむね)屋根や陸(ろく)屋根などなら特に問題なく太陽光発電パネルを取り付けることが可能でしょう。よほど複雑で特殊な屋根でない限り太陽光発電パネルの取り付けはできますが、自分の家に太陽光発電パネルを設置できるかどうかが心配なら、一度太陽光発電パネル設置業者に問い合わせてみると良いかもしれません。
太陽光発電を行うメリット
では、具体的に太陽光発電を行うメリットとはどのようなものがあるのでしょうか。
太陽光発電はその名の通り、太陽の光を電気エネルギーに変換することができるというものです。太陽の光を電気エネルギーに換えることによって光熱費などを抑えることができ、もし作った電気が自宅で使いきれない場合には、余った電力を電力会社に売却することも可能です。また、太陽光発電パネルを自宅に設置することで、自治体から補助金がもらえる場合もあります。
太陽光発電を設置するデメリット
このように経済的に大きなメリットがある太陽光発電ですが、一方で、デメリットもあります。デメリットとしては、太陽光発電パネルを設置するための初期費用がかかることが挙げられます。近年では太陽光発電パネルの耐用年数が長くなっており、設置から早い段階で費用を償却することもできるようですが、太陽光発電パネルは取り付けたらそれでおしまいというわけではなく、長持ちさせるために定期的なメンテナンスが必要となります。
また、いくら発電できるといっても、曇りや雨の日には発電量が低くなってしまうことから、日照量に左右されてしまい、場合によってはまったく発電ができないこともあります。
太陽光発電を設置する前に注意したい点
まず、太陽光発電パネルを設置する前に屋根の状態を確認しておく必要があります。屋根材の破損や塗装がはがれてしまっているのにも関わらず太陽光発電パネルを設置してしまうと、雨漏りなどの被害にあった場合、設置した太陽光発電パネルを移動させて屋根工事を行い、再度太陽光発電パネル設置をするという二度手間になってしまいます。その分余計に費用がかかってしまうでしょう。そのため、太陽光発電パネルを設置する前には一度屋根の状況を確認し、問題があるようでしたら屋根工事を行ってから太陽光発電パネルを設置すると良いでしょう。
太陽光発電パネルを設置する前に屋根工事が必要になった際には、太陽光発電パネルの耐用年数に見合った耐久性の高い屋根材を採用するようにしましょう。寿命の短い屋根材を選択してしまうと、太陽光発電パネルより屋根材の寿命が先にきてしまい、再度パネルを動かし、屋根工事を行う必要がでてきてしまいます。当然この時も余計な費用が発生してしまうので、できるだけ長寿命の屋根材を選んでおいたほうがトータルコストダウンにもつながります。
太陽光発電パネルを設置することで得られるメリットはたくさんありますが、先に屋根工事をしておかないと二度手間になってしまうばかりか、費用も余分にかかってしまいます。まずは屋根の状況をきちんと確認し、その上で太陽光発電パネルの設置を考えましょう。
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