Supported by NIPPON STEEL 日鉄鋼板株式会社

屋根と暮らしのスタイルマガジンRoofstyle

屋根の雨音がうるさい……屋根の雨音を軽減する方法とは?

屋根材

自宅の屋根の雨音がうるさくて気になる……というとき、何か雨音を軽減するための効果的な方法はあるのでしょうか?屋根材による雨音の違いとその理由、そして屋根を完全に葺き替えてしまう以外の、コストと手間を抑えた軽減のための対策についてご紹介します。

屋根材による雨音の違いと理由

雨が降ったときに室内に響く音の大きさは屋根材によって異なります。材質ごとの雨音の違いと、その理由について説明します。

トタン(亜鉛鉄板)

昔ながらのトタンですが、雨音がうるさいという印象をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。トタンの雨音が大きく響く原因はまず、素材が薄いことにあります。トタンは薄く軽く、しかも剛性がありますので、雨が当たるとよく振動し、音が響きます。シンバルを連想するとイメージがわきやすいと思います。

素材そのものの遮音性能、つまり音を遮る性能も低いので、外の音を通しやすいという欠点があります。
ですが、実は住宅の遮音性能は、素材そのもので決まるというよりも、素材以外の材料を含めた屋根構造全体によって決まります。

現在は、トタンに代わり、ガルバリウム鋼板や次世代ガルバリウム鋼板が多く出回っていますが、その特性に合わせた屋根構造が普及しています。

粘土瓦

粘土瓦はトタンと反対に、すぐれた遮音性能を有する素材です。その大きな要因は質量にあります。一般的な日本瓦は粘土を焼成して作られており、金属やスレートと比べて大変重くできています。遮音性能を表す目安として、外から入ってくる音のエネルギーと中に伝わってくる音のエネルギーの比率、「透過損失」という指標があります。
「透過損失」は、素材の質量が大きいほど高くなる=遮音性能に優れる、という特徴があるため、質量の高い粘土瓦は遮音性能が高い傾向となります。

スレート

スレートは、天然石を使用したものと人工的に生産されたもの(化粧スレート)があります。現在は、セメントに繊維材料を混合した無石綿スレートやセメント系スレートが主流となっています。化粧スレートは比較的厚みがあり、施工時に素材を重ね合わせるため、陶器瓦に準じた遮音性能を有するとされています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は鋼板にアルミニウム55%、亜鉛43.4%、ケイ素1.6%のメッキを施したものです。軽くて丈夫で、金属でありながら錆びにくく安価という特長があり、新築・リフォームを問わず普及が進んでいます。

ガルバリウム鋼板の施工に際しては、屋根構造として断熱性・防水性を向上させるため、下地を構築してその上に施工する方法が一般的になっています。その結果、旧来のトタンで用いられてきた屋根構造に比べて、遮音性能が大幅に改善しています。

屋根の雨音を軽減するにはどうすれば良い?

屋根の雨音がうるさくて気になるという場合、その問題を解決する方法としては、たとえば粘土瓦などの遮音性能に優れた素材に取り替えることが挙げられます。しかし、建物の耐震性が気になる昨今、建物が粘土瓦の重量に耐えられる構造設計になっているかを確認する必要があり、事前調査を含めるとそう容易に実行できません。
そのような場合、以下のような対策をすると雨音を軽減できる可能性があります。

1.音を軽減できる下地を入れる

屋根裏に断熱材を入れると雨音の軽減効果が期待できます。断熱材は文字通り、建物の断熱性を向上させるのが目的の素材ですが、音を吸収したり、振動を抑えたりする副次効果があるものもあります。「すでに断熱材が入っている」という場合でも、新しいものを入れ直すことで効果が変わることがあります。

また、雨音が気になる原因が屋根裏以外にある可能性があります。壁の遮音性能がしっかりしていないため、外の音が屋内に抜けてくるというケースも考えられます。

2.制振材(防振材)の裏打ちを行う

振動を吸収緩和する制振材(防振材)を裏打ちする方法です。金属屋根やひさしの部分に施工すると効果が期待できます。金属屋根に雨が当たると音が響くのは、薄く軽く剛性が高く、素材として振動しやすいためです。その振動を抑え、伝播するのを防いで反響振動音を伝えにくくするのが制振材の役割です。

3.防音効果がある塗装で塗り替える

防音効果のある塗装を施す方法もあります。最近は塗膜表面を大量のセラミックで覆うことなどで表面積を増やし、音を反射させて内部への侵入を抑えつつ振動が伝わるのを防ぐといった機能を持つ防音塗装が開発されています。

4.カバー工法で屋根を葺き替える

「カバー工法」とはその名の通り、既存の屋根を新しい屋根材で覆うリフォーム工事の一種で、別名「重ね葺き」「重ね張り」「被せ張り」とも呼ばれています。屋根が二重構造になり、遮音性能が高まるため、雨音対策にも有効です。古い屋根を撤去する必要がなくなるので、費用の節約、工期の短縮につながります。

カバー工法の詳細・その他のメリットについては、こちらの記事もご参照ください。

いかがでしたでしょうか? 屋根の雨音を軽減するには、全面的な屋根の葺き替えをしなくても、ご紹介のとおりいくつかの対策が考えられます。特に、カバー工法により既存の屋根の上にガルバリウム鋼板を葺き替える方法は、雨音対策以外の利点も多くなっています。屋根の雨音にお困りの際は、これらの対策を検討することをおすすめします。

記事についてお気軽に
お問い合わせください。

お問い合わせ

閲覧履歴からあなたにおすすめの記事です。

ALL RANKING全ての記事ランキング

全て ライフスタイル 屋根 リフォーム 屋根材 メンテナンス 耐震

KEY WORDSキーワードから記事を探す

PAGETOP