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屋根の用語、いくつ知っていますか? 〜Vol.2〜

屋根材

前回の記事 屋根の用語、いくつ知っていますか? 〜Vol.1〜
 

歴史とともに増えていく屋根材に関する用語

瓦や金属など、屋根材を大まかに見分けるのはさほど難しいことではないでしょう。しかし、瓦や金属にはさまざまな種類があります。ここでは屋根材に関する用語について細かく紹介していきます。

 
釉薬瓦(ゆうやくがわら)、無釉瓦(むゆうがわら)
陶磁器の表面に付着したガラスの層を釉薬(ゆうやく)といい、釉薬で瓦の表面をコーティングしたものを釉薬瓦(陶器瓦)、釉薬を使わないものを無釉瓦という。

 
いぶし瓦
釉薬をかけず、いぶして光沢をつけた瓦。

 
和瓦(わがわら)
日本家屋など古くから使用されている屋根材主に粘土を焼いて成型したものを指し、波を打ったような形状が特徴的。日本瓦(にほんがわら)、粘土瓦(ねんどがわら)、J型瓦(じぇいがたがわら)などは同じ意味。

 
洋瓦(ようがわら)
洋風の屋根瓦全般を指す。和瓦よりもカラーバリエーションが豊富。S型瓦、F型瓦、M型瓦など種類もさまざま。

 
S型瓦、スパニッシュ瓦
代表的な洋瓦で、S字型に波打つ見た目が特徴。凹凸が大きく立体感・高級感が出る。

 
F型瓦、平板(へいばん)瓦
フラットな形状なので、頭文字をとってF型と呼ばれる。和風・モダン建築にぴったりで、工期もS型より短くなりやすい。

 
M型瓦、ふた山瓦
アルファベットのMのような形状の瓦。軽量で耐震性に優れている。和洋折衷をはじめどんな建物にも使いやすい。

 
銅瓦(どうがわら)
木製の瓦に銅板を貼ったもの。表面に金属を貼ることで、和瓦より軽くて耐久性・耐火性にも優れる。

 
セメント瓦
セメントと砂を主原料とする瓦。コンクリート瓦、厚形スレートとも呼ばれる。陶器製の瓦に比べると軽量で価格もややお手頃だが、衝撃で割れやすい。

 
防災瓦(ぼうさいがわら)
防災機能を持たせた瓦。瓦同士が噛み合う構造で、台風や地震に強い。和瓦にも洋瓦にも防災瓦はある。

 
軽量瓦(けいりょうがわら)
従来の陶器瓦を軽量化させた瓦。

 
琉球赤瓦(りゅうきゅうあかがわら)
首里城の屋根に使用されている赤色の瓦。沖縄の鉄分を多く含む土が原料で、土に水を混ぜて成型し乾燥させたあと、低温で素焼きにすることで土の中の鉄分が酸化して、独特の赤い色になる。

 
丸瓦(まるがわら)、平瓦(ひらがわら)
半円筒形の瓦を丸瓦、それに対して平たい瓦を平瓦という。

 
スレート
セメントと繊維材料を主原料とする厚さ5mm~6mmほどの薄い屋根材。軽量かつ耐震性に優れ、シンプルなデザインとカラーバリエーションが豊富な点も特徴。

 
天然(てんねん)スレート
粘板岩と呼ばれる天然石を薄く板状に加工した屋根材。希少で住宅向けにはあまり普及していない。

 
化粧(けしょう)スレート
天然スレート以外の人工スレート。住宅のスレート屋根は主にこちらを指す。

 
石綿(せきめん)スレート
セメントに石綿(アスベスト)を混ぜて成型したスレート。人体の健康への懸念から、現在は製造・使用が禁止されている。なお、石綿は飛散した粉塵を吸い込むことで人体に害をもたらすが、スレートに含まれる石綿は固められているため、既に屋根材として施工された状態なら心配はない。

 
無石綿(むせきめん)スレート
石綿スレートに代わる製品として開発され、石綿の代わりにパルプやビニロンを混ぜて製造したスレート。

 
セメント系スレート
セメントを主原料として板状に成型して作られるスレート(セメントの割合が高い)。

 
茅(かや)
ススキ、ヨシ、チガヤといった植物の総称。それらを刈り取って束にした大昔から存在する屋根材。現在は歴史として保存していく作業が主流。

 
牡蠣殻(かきがら)
江戸時代に広く普及した屋根材。当時の東京湾でたくさん獲れた牡蛎の殻で屋根をおおっていた。江戸の町は火事が多く防火を目的とした素材だった。

 
銅板(どうばん)
銅で作られた板のことで、古くからある屋根材のひとつ。両国国技館は人工緑青を塗装した銅板を使用している。

 
トタン、亜鉛鉄板(あえんてっぱん)
薄い鋼板に亜鉛をメッキした“トタン板”で作られている屋根材。住宅や工場、倉庫などに使われている金属屋根の一種。

 
ブリキ
鋼板に錫をメッキした“ブリキ板”で作られている屋根材。トタンとの比較でよく出てくる金属屋根の一種。

 
ステンレス
鉄にクロムを加えた合金(ニッケルが加えられることもある)で、錆びにくく腐食に強い屋根材。重さは陶器瓦の約10分の1。耐久性はピカイチで、ほとんどメンテナンスをしなくても長期間もつ。

 
ガルバリウム鋼板(こうはん)
鉄の鋼板に亜鉛やアルミなどの合金メッキを施し、サビに強く耐久性を高めた金属素材。金属屋根素材の主流。同じ金属であるステンレスほど耐食性はないものの、軽量で、耐震性・耐火性に優れている。それでいて価格はステンレスの約6割とお手頃。

 
SGL(エスジーエル)
ガルバリウム鋼板をさらに改良させて金属素材。金属下地のめっきをより高耐食(ガルバリウム鋼板の3倍)にしたもの。

 
緑化屋根(りょくかやね)
屋根面に芝生・セダムなど植物が施工してある屋根のこと。ヒートアイランド化現象防止効果や遮熱効果がある。

 
屋上緑化(おくじょうりょくか)
屋上に植物を植えて緑化すること。効果は緑化屋根と同じ。
 

知っている数だけ便利になる「施工」関する用語

 

 
家を建てる、または屋根をリフォームする際に、業者との打ち合わせがあると思います。その際、専門用語が出てきたら話の腰を折ってしまう可能性もありますよね。施工に関する用語を覚えておけば、打ち合わせがスムーズになること間違いなしです。
 

葺く(ふく)
板・茅・瓦などで屋根をおおうこと(板葺き、茅葺き、瓦葺き)。屋根を仕上げる行為として使われる。

 
葺き替え(ふきかえ)
古い屋根材を撤去して、新しい屋根材に張り替えること。

 
本瓦葺き(ほんかわらぶき)
筒状の「丸瓦」と平たい「平瓦」を組み合わせる工法。寺院などに多く見られる。

 
縦葺き(たてぶき)
屋根の外観がストライプ(縦じま)に見えるように葺いた屋根の形状。地域や屋根材メーカーによって立平葺き、縦平、縦ハゼ葺き、竪ハゼなどと呼ばれることも。

 
横葺き(よこぶき)
屋根の外観がボーダー(横じま)に見えるように葺いた屋根の形状。段葺き、平葺きの2種類がある。

 
段葺き(だんぶき)
屋根材同士のつなぎ目に段差がある形状。立体的で重厚感がある。

 
平葺き(ひらぶき)
屋根材同士のつなぎ目が薄く、フラットな形状。スッキリと洗練されたイメージに。

 
カバー工法
既存の屋根を新しい屋根材で覆うリフォーム工事の一種。屋根が二重構造になり、遮音性能が高まる。古い屋根を撤去する必要がなくなるため、費用節約や工期短縮につながる。重ね葺き、重ね張り、被せ張りとも呼ばれる。

 
桟瓦葺き(さんかわらぶき)
軽量で波状の瓦を積んだもの。

 
檜皮葺き(ひわだぶき)
屋根葺き手法のひとつで、檜(ひのき)の樹皮を何重にも重ねた、日本古来から伝わる手法。檜皮は希少で高価な材料のため、清水寺など伝統的な神社仏閣などの屋根に限られる。

 
一文字葺き(いちもんじぶき)
平葺きの一種。金属などの平板状の屋根材を、屋根面の水平方向に一直線に葺く工法。

 
漆喰(しっくい)
屋根における漆喰は、棟と瓦の間の隙間を埋めるために塗り込まれる材料。

 
塗装鋼板(とそうこうはん)
鋼板の表面に塗料を塗装し、耐久性、機能性、意匠性を追加した鋼板のこと。

 
塗膜(とまく)
塗料を塗った際、それが固まることで作られる塗料の膜のこと。

 
勾配(こうばい)
屋根の傾斜の度合いを指す用語。度合いによって、急勾配(きゅうこうばい)、並勾配(なみこうばい)、緩勾配(かんこうばい)の3種類に分けられる。

 
勾配数(こうばいすう)
勾配を数値化したもの。勾配数は「寸法勾配」「分数勾配」の2通りの方法で示す。

 
寸法勾配(すんぽうこうばい)尺貫法勾配(しゃっかんほうこうばい)
水平方向の距離を10寸として、それに対する高さで勾配数を求める。「○寸」と表記し、数字が大きくなるほど急な勾配になる。

 
分数勾配(ぶんすうこうばい)
水平方向の距離と高さの比率を分数で表す。【例:水平10寸に対し、高さ4寸の勾配であれば、4/10(または2/5)となり、分子が大きいと急な勾配となる】

 
 

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