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ブーム到来!? いま増えている平屋の魅力とは

ライフスタイル

ファッションやエンタメと同じように、家づくりにもトレンドがあります。その中でも今回注目したいのは「平屋」。近年、日本では「平屋」を選択する人が増加しています。一階だけで完結する平屋は、若い家族層からシニア世代まで、幅広い年代に人気が拡大。昨今の住宅トレンドの中でも存在感を増している「平屋」について、支持される理由や平屋ならではの魅力、さらに知っておきたい注意点などを解説します。

 

平屋が選ばれる背景

 
「平屋がトレンド」と言われても、ピンとこない人は多いかと思います。国土交通省の「建築着工統計調査」の数値を見ると、2015年度から2024年度にかけての10年間で、居住用建物における平屋の割合が2倍以上に増加。これは、住まいに求める条件が見直され、少数家族でも快適に過ごせる生活空間に注目が集まっているからです。
 
加えて、平屋の人気が高まっている理由として、新型コロナウイルス感染症の拡大によってテレワークが増加し、郊外の広い土地に家を建てる人が増えたこともあげられます。これらの需要を満たす平屋のメリットを紹介していきます。
 
 

平屋に住むことで得られるメリット

 
◎生活動線がシンプル
平屋はすべての部屋が同じ階にあるので、生活動線がとてもシンプルで暮らしやすさが際立ちます。階段の昇り降りがなく、家事の移動距離も短くなるため、毎日の生活がぐっとラクになります。
 
◎安全性とバリアフリー性
階段がない平屋は、小さな子どもがいる家庭や高齢者にとって安全性が高い構造といえるでしょう。転倒などのケガのリスクを軽減できるため、家族全員が長く安心して暮らせる環境を実現できます。さらに将来的に介護が必要になった場合にも柔軟に対応しやすい点も注目されています。
 
◎家族のつながりを感じやすい
全員が同じフロアで過ごす平屋は、家族同士のコミュニケーションが自然と生まれやすくなる点も特徴のひとつです。リビングや廊下などで顔を合わせる機会が増え、家族のつながりを感じやすい環境を作れます。また、家に帰ってきた家族の気配がすぐ分かるため、安心感もあります。
 
◎耐震性が高い
2階建てと比較すると建物の高さが低くなることが多く、構造的に重心が安定しやすいという特徴があります。そのため地震の際にも揺れの影響を受けにくく、耐震性が高い住まいとして評価されています。
 
◎デザインや間取りの自由度が高い
上層階がないので荷重の制約が少なく、柱の本数を抑えた大空間をつくることも可能です。勾配天井や吹抜け、開放感のあるリビング、中庭やウッドデッキを中心に配置した設計など、自由度の高い間取りをつくれる点も大きな魅力の1つといえるでしょう。
 
◎メンテナンス費用を抑えられる
平屋は屋根面積が広くなりがちです。しかし、外壁や屋根の塗装・修理を行う際は、2階建てと比べて高い足場を設置する必要がなくなり、コストを抑えやすいという利点があります。子どもが生まれたのを機に家を建てた場合、築後10年〜20年後に必要となるメンテナンス時期において、教育費などの家計負担が重なるタイミングで費用を抑えられるのは嬉しいポイントです。
 
これらのメリットは将来を考える上で見逃せないポイントばかり。バリアフリー性能や耐震性の高さなど、メリットの多い平屋を選ぶ人が年々増え続けているのも納得ですね。
 
 

平屋を建てる際に気を付けるポイント

 
たくさんのメリットが存在する反面、新築で平屋を建てる際には事前に知っておくべき注意点もいくつかあります。
 
◎広い土地が必要
平屋は同じ延床面積なら2階建てよりも広い敷地を必要とするため、十分な部屋数や広い間取りを確保するには「広い土地」が必要になります。家づくりを検討する際は、土地の広さと建ぺい率(土地のなかで建築可能な面積の割合)も必ず確認しましょう。特に都市部や土地単価の高い地域では、こうした条件が計画の課題になりやすいため注意が必要です。
 
◎建築コストや坪単価の上昇
広い基礎や屋根が必要なため、同じ延床面積の2階建て住宅に比べて坪単価が高くなるケースが多いです。ただし、天井の高い平屋ならロフトや収納スペースを設けることで2階建てと同じ部屋数でも安く建てられたケースもあるのだとか。初期コストと維持費の両面を踏まえて検討するのがおすすめです。
 
◎採光・通風の工夫が重要
家の中心部分には自然光や風が届きにくいケースがあります。この課題は、中庭や天窓を設けたり、スキップフロアを取り入れたりすることで、採光や通風の問題を解決できます。
 
 

平屋の形とそれぞれの特徴・注意点

 
平屋には「I字型」「L字型」「コの字型」「ロの字型」「連棟型」といった複数の形があります。形によって、特徴と注意点はさまざまです。
 
◎I字型
縦や横に長いシンプルな長方形で、開放感のある大空間や一体感のある間取りを実現しやすく、自由度の高い設計が可能です。一方で音が響きやすく、日当たりやプライバシーの確保に工夫が必要。窓の数や面積によってはフェンスを設置するなど、防犯面でも対策が求められます。
 
◎L字型
建物をL字に配置することで生活空間とプライベート空間を分けやすく、中庭を活かした開放的な住まいが実現しやすくなります。一方で建築・メンテナンス費が高くなりやすく、開口部が多く死角も増えるため、防犯対策が重要となる形です。
 
◎コの字型
中庭を囲む構造で光や風を取り入れやすく、家族の様子を見守れる開放的かつプライベートな空間が魅力です。一方で、建築コストが高く、熱が逃げやすい構造である点や、中庭の水はけにも要注意。L字型と同じく死角が多いので、カメラやセンサーライトの設置などを検討する必要があります。
 
◎ロの字型
中央の中庭を建物で囲む構造で、高いプライバシーと採光・通風性を兼ね備えた開放的な住まいが実現できます。一方で、水はけや搬入動線には注意が必要。設計次第でプライバシーや使い勝手に差が出るため、慎重な計画が求められます。
 
◎連棟型
各部屋を独立させながら屋根でつなぐ特殊な形で、プライバシーを確保しやすく光や風も取り込みやすいのが魅力です。ただし凹凸が多いため建築・メンテナンスコストが高く、採光計画を誤ると暗い部屋が生じやすく、防犯面でも開口部の管理に十分な注意が必要です。
 
平屋はすべての部屋が地上に接しているため、外からの視線や防犯面には十分な配慮が必要です。窓の位置やサイズの工夫に加え、目隠し用のフェンスや植栽、センサーライト、監視カメラなど、形ごとの特徴を理解した上でセキュリティ性を高める対策が必要になります。
 
 

新しいスタイルの「住まい」として

 
住宅業界において注目度がますます高まっている平屋は、効率的な生活動線や家族の安全性、安心感といった実用面だけでなく、将来のライフスタイル変化にも柔軟に対応しやすい住まいです。その一方で、都市部での土地確保の難しさや間取り・デザインを考える際のプライバシーや採光対策など、事前にしっかり検討すべきポイントもあります。
 
もし将来、自分や家族の住まいを考えることになったら、平屋ならではのメリットと、現実的な検討ポイントの両方を踏まえ、選択肢を広げてみてください。家づくりは一生に一度の大切な経験になることが多いです。理想の暮らしをしっかりと描き、自分たちのイメージに合う住まいを選ぶヒントにしてみてはいかがでしょうか。
 
 

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